翻訳文学と演芸 | 有限会社宮岡博英事務所のブログ

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今月2月12日日曜日は文芸演芸会の第二回です。

喋る芸は言葉を使う訳でその段階で既に文学と呼んで差し支えないと思います。

この会は原作を持った作品の会とお考えいただければよろしいかと思います。

 

落語、講談、浪曲、さらに活動大写真まで一度に楽しめるお得な会です。

ご来場をお待ちしております。

 

三遊亭圓橘師匠がアメリカ短編小説の神様と謳われるオー・ヘンリーの『残り香』

を取り上げます。

「間に挟まる出番だし、内容も考えて軽くすっとやりたい」

と既にやるきマンマンです。

 

オー・ヘンリーと言えば小学生でも読まされる(今もそうなのか?)『賢者の贈り物』

が名高く、襤褸は着てても心は錦。

これは貧しくとも相手を思いやる心を忘れてはいけない。そうすればきっと幸せになれる。

という一種の教訓染みたお話としてガキは読まされていた感があります。

しかし、あっちの文学には必ず宗教と移民の問題が話の根底にあります。

実体験として経験していないとどうも分かりづらい問題でスジだけ追って読むとスカスカに

感じることもしばしばです。

三遊亭圓朝は数々の西洋文学を落語にしていますが、これは演劇改良運動とかと同根で

西洋至上主義に便乗したのかさせられたのか時代の風潮に阿ったきらいはあります。

『名人長二』はモーパッサンの『親殺し』からの翻案と言います。

神田伯龍もやりましたが、自分を捨てた母との再会は「ありゃ『瞼の母』と同じだから出来る」

と言っていました。

話が進むにつれて無理が出て来て特に最終話はやはり砂利を敷いたお白州でやるより

『検察側の証人』のような法廷の方が生きるようです。

 

講談は昔っから西洋文学がネタに入っていて、今回は貞橘先生が『ドラキュラ』ですが、

『アルセーヌ・ルパン』やら『月光の曲』(ベートーヴェンのピアノ曲にまつわる話)は本も出ています。

『月光の曲』は寶井馬琴先生(五代目)の十八番で。

「母親が倅をベートーヴェンよ!と呼ぶんだよな。ベートーヴェンは苗字なんだよな」

と伯龍は腐しておりました。六代目馬琴先生のは残念ながら生で聞き逃しました。

 

五代目神田伯龍は『ベーブ・ルース』を良くやっていたと。

昭和9年のベーブ・ルース来日に合わせたんでしょうか。

わざわざ「子供時分の描写が『汐留の蜆売り』のように出来るのでやっている」とコメントまで遺しています。

これも「やらない方が良かったんじゃないか?」と伝えられております。

2023年2月12日(日)12時半開場 1時開演

桂春若(主任) 永滝五郎作『除夜の雪』

三遊亭圓橘 オー・ヘンリー原作『残り香』

澤雪絵 浪曲『姿三四郎恋暦』

片岡一郎(映画説明) 瀧の白糸(名場面)+切られ与三(林長二郎=長谷川一夫版)

一龍齋貞橘 講談『ドラキュラ』

前座:桂れん児

 

御入場料金 前売4000円(税込) 当日4500円(税込)

御問合せとご予約は

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