幸枝若フェスティヴァル千秋楽 ご来場有難うございました! | 有限会社宮岡博英事務所のブログ

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いよいよ幸枝若フェスティヴァルも五日目で千穐楽です。

連日有難うございました。ご来場に厚く感謝致します。

今日は板付き(舞台に上がった状態で幕が開く)の幸太さん。

脚の故障で松葉杖を使っての登場。使わないでよちよち歩きでの登場。

そして板付き。と毎日同じ時間、同じお客様の前で上がる訳ですから出にも工夫がなきゃ

いけないというサービス精神。松葉杖でお客様から”同情乞う太”というギャグも出ました。

 

今日は慶安太平記の連続読み。

一席目が慶安太平記『和田三平とのう男』。初演です。この会の為に仕込んで頂きました。

 

慶安太平記は元来講談ですが、設定がまるで違う。

講談だと有名なのが『怪僧伝達』。増上寺の僧である伝達が大金を京都の本山に運ぶのを付け

狙う怪しい飛脚の十兵衛(甚兵衛とも)が現れます。

この二人がどういう訳か道連れとなって東海道を京へと上る。

 

これが幸枝若節だと由比正雪は和田三平の変名で京の三条で道場を開いています。

その素性を知りつつ付け狙う怪しい男がのう男(のうおとこ)。

即ち幸枝若節では由比正雪が伝達(善達)、のう男が飛脚に当ります。

そして主人公が京へ上るのが講談で、幸枝若節だと東(江戸)へ下る。当然道中も変わって来ます。

このフェスティヴァルで一番忙しいのが一風亭初月師匠。常に舞台に乗った状態にあります。

お疲れ様です。So cute!

お待ちかね、幸枝若先生で慶安太平記『穴山平四郎』。

先代幸枝若の慶安太平記はローオンレコードとコロムビアのLP、カセットがありますが未CD化。

ローオンレコードだと”由比正雪東下り”というタイトルになっています。

これを見つけた時に?となりました。由比正雪って東に下ったっけ?

下るというのは京都(都)から江戸(=新都、便宜上こう呼んでおきます)に行くということだから

由比正雪は京都に居たんだっけ?聞いてみてびっくり。こんな異本というか設定があったんだ!

こりゃ、いつかはやって頂かなきゃならない!このフェスティヴァル故に!と無理に幸枝若先生に

お願いしました。それも幸太さんと連続読みで。そうしたら幸枝若節の慶安は連続である!とのこと。

ちょっと通常の幸枝若節と違う節回しが散見されます。と言って未消化感や未完成感は

ないのです。一体ルーツはどこにあるのでしょうね?

講談だと飛脚の素性は”実ハ高坂甚内”ですが、幸枝若節だと穴山小助の忘れ形見”穴山平四郎”です。

”吉田の焼討”に当たるのが鞠子の代官所焼討。

ここは笑いを起こさせながらも知略の凄みで凄絶を極めました。

のう男が宿屋の屋根に上って偽の火事の合図をするところ。

和田三平は”実ハ由比正雪”そしてバラシ前の由比正雪の道場の造作が素晴らしい。

大名屋敷にも勝る壮大な庭は近江八景を模してあり、

この近江八景を折りこんで描写していく。これは講談にはない。

この部分の幸枝若先生は聳え立つ巨人が如くの名人芸。

今回の幸枝若節「慶安」について和田尚久氏が詳細なアナライゼーションをしてくれました。

 

 

次は幸枝若先生に『和田三平とのう男』是非お願いします。

ここでお仲入り。

さあ、ファイナルの一席は何か?十八番の左甚五郎『掛川の宿』です。

これはもう鉄板の一席。左甚五郎、狩野探幽という二人の名人が登場する話。

そして名人、京山幸枝若が演ずるという舞台には三名人が勢揃いなのです。

五日間のご来場、誠にお疲れさまでした。出演者一同で御礼の手締め。

”大阪締めはあんまり浪曲はやらんなあ”ということでしたがお願いしました。

”じゃあ音頭取って”まさか東京の人間が出来る訳ない。

感謝、感激の五日間でした。幸枝若先生は来月は”演芸大忠臣蔵”でトリでご出演頂きます。

ぴあ預け分は終了しましたが、チケットはまだまだありますからよろしくお願いします。