幸枝若フェスティヴァル(四日目)! | 有限会社宮岡博英事務所のブログ

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デビュー50周年京山幸枝若フェスティヴァルも四日目を迎えました。

今日を含めてあと二日。あっという間です。

今日はスージー鈴木氏をゲストに迎えての”幸枝若節の音楽分析”。

これもやってみたかった企画です。テレビを持たないブログ子が旅先でたまたま観たのがBS12の

”カセットテープミュージック”。こりゃあ面白いと一辺でスージー鈴木ファンになりました。本も買いました。

そうしたら、ある日こんなお褒めの言葉を頂いていたのでした。

こりゃ運命だと勝手に思い込んで今回の企画となったのです。

恒例のリハーサル風景です。幸太さんが裁判長みたいです。

今日の幸太さんの一席は『安珍清姫』。これは既に幸太十八番にカウントされる名品。

これと『比良八荒』は、”幸太女性浪曲シリーズ”とも呼びうる傑作だと思います。

女性がクネクネしていなくて、骨のあるというか信念の強い人物であるところが素晴らしい。

その表現力が立派。だからこそ武骨な船頭もしっかり生きています。

続いては『幸枝若節の音楽分析』。スージー鈴木氏が月𠅘可朝師愛用のカンカン帽とギターを

持って登場。さあ何が飛び出すのか。

幸枝若節はメジャーペンタトニックである、幸枝若節を聞かれて直ぐに指摘されたのがスージー氏。

ペンタトニックとは五音音階。ドレミファソラシドのうち、二音を除いた音で構成される音階。

幸枝若節の場合はド・レ・ミ・ソ・ラの五音を基本とした五音音階で、即ちファとシがない。

五音音階は世界各国の民謡でよくみられるもので洋の東西を問いません。

マーラーの『大地の歌』も中国の詩に基づいた楽想なのでマーラーは五音音階で中国の民謡風な

音楽を作りました。『蛍の光』もそう。『アリラン』もそうです。

歌謡曲にもたくさんあり『スーダラ節』もそう、『黄昏のビギン』の冒頭もそうです。

『永谷園も麻婆春雨』もそう!

そして現幸枝若のキーはD♭!幸太のはE♭(D♯)!これはここだけの秘密です。

こんなキーの近さで師匠と弟子の声が似ていると言われるのかもしれないと幸太のナイスフォロー。

勿論浪花節にはキーという概念はありませんで、”調子”という表現でしたが、先代幸枝若は浪曲にギター伴奏を入れた人でも

あるので、そんなところから、西洋音楽のキー表現が浪花節にも入ってき始めたんではないかというのがこれまた幸太のナイス推論。

ここで初月師匠からは三味線とギターのような西洋楽器と合わせるのは非常に難しいとのこと。

ギターはミリ単位でチューニングが出来るが、三味線は弾いている内にどんどん変わってくるので合わせるのが大変。

幸枝若の最高音はソ(A♭)の音。幸枝若の高音(甲の音)は曲師である母福本みつゑからみっちり仕込まれました。

出ない程の高い音を出さないと銭は取れない。そして無理な高音を使えてこそ、お客様に感動を与えられる。

という信念からです。

そこでスージー氏が「沢田研二が今73歳でも高いキーを変えない。小田和正も山下達郎も変えてない。高けりゃ良いってもんじゃないが

高かったキーの人が下げると風景が変わってしまう」

とこれは鋭いというか最もな指摘もありました。

そこですかさず幸太が「Xジャパンも楽々歌える」と高音で絶唱!大いに受けていました。

そして浪曲師と曲師の上演中の合わせ方はアイコンタクトではなく、

曲師が浪曲師の口の動きや表情から組取って合わせていくという秘密も公開してくれました。

途中マイクの不具合でご迷惑をお掛けしてしまい、ここにお詫びします。

最後はこの日のギターの前オーナー、月𠅘可朝師の博打話と『嘆きのボイン』は可朝師の博打中の

鼻歌的な語りから、藤川芸能社のお母さん(社長)の勧めで生まれた!

で締めました(この話の多くはとても公開できません)。ここでお仲入り。

伯龍の会からの御贔屓である(もう20年以上!)福田浩司氏が詳細なアナライゼーションをしてくださいました。

 

 

さあ、後半です。幸枝若お楽しみ一席は何でしょうか?

「四国丸亀……、おお、こりゃ”寛永三馬術”ドド平住込みの一席です。

終演後にお客様からも「幸枝若先生ってホント可愛いお顔ねえ」というお言葉を頂きます。

つくづく良い笑顔。

講談の曲垣平九郎は大腹中(おおぶくちゅう=太っ腹な人物)ですが、幸枝若節の曲垣先生は

太っ腹なんだけど結構ドジなところもある愛すべき人物になっています。

頭に血が上ると吃ってしまう(どもってが一発で変換出来ぬ!)癖があります。

嗚呼、これも放送じゃ吃音を差別しているとかで無理なんでしょうねえ。

そしてラストはドド平実は向井蔵人と青井源三郎の立合い。

これがカッコイイ。お互いの腕に驚嘆しつつ構える形の綺麗なこと。

特に青井源三郎の大上段の時に両腕で菱型のフレームを作っての姿には毎回痺れます。

武芸物は名人モノに相通ずると思います。即ち名人を描くことによって芸人自らの玄妙を

表現するという高度でまた不遜なジャンル。しかしこれだけ巧ければ何の不足があるものか。

今回の幸枝若フェスティヴァル五日間。幸枝若は五日間を一単位として、

初日からアクセル全開ですっ飛ばすのではなく、むしろ抑制する部分を作っておいて

特にテンポはいつもよりゆっくり目で丁寧に押すところは間をつくって積極的に押します。

そして千穐楽に突き進む。

そのペース配分の強かさと絶妙さにも心打たれるのです。

さあ、明日は千穐楽。「憶え直しというより初演だ!」という”慶安太平記”連続読みが控えております。

来ないと損する幸枝若フェスティヴァル。来たら得する幸枝若フェスティヴァル。

浅草でお待ちしております!

今日のオフカメラはチューニングの話。これも貴重です。

 

 

 

デビュー50周年 京山幸枝若フェスティヴァル

ご入場料金(税込)
前売3,800円 当日4,300円

全日 会場:木馬亭(浅草)
午後6時開演(5時半開場)

 

御問合せやご要望は

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