不穏な雰囲気の中、無事『究極のバレ噺III"Awesome Story Festival2021"』
2021年1月16日土曜日
公演終了しました。ご来場の皆様には改めて御礼申し上げます。
会場のムーンアイランドホールは照明も設備も音響も素晴らしく、
今後も使わせていただきたく思いました。
三年連続でお見えのお客様もおられ、正に猛者、決死隊。
つくづく有難いことだと感謝しております。
うれし先生は一番乗りでリハーサル。気合入っています。
開口一番は立川幸太さん。立川談幸師匠門下。今年二つ目に昇進するそうです。
談幸師匠そっくり!『初天神』。『初天神』は大阪だと結構キワドイ場面のある噺ですが、
東京式はさっぱりしたもんです。
続く、鶴光師匠門下の笑福亭茶光さんが『湯屋番』。
これは茶光さんに似合っていると思ったので是非にと仕込んで貰いました。
舞台を大阪に移して、若旦那も上方和事のボンボン(相撲場の与五郎みたいな)っぽくて柔らかくて結構なものでした。
さあ、旭堂南湖先生が大阪から登場。三代目南陵先生もやっていたという秘蔵のネタ。
『綱吉の裏門攻め』。外題だけでワクワクしてきます。
スペイン旅行の奇談も爆笑。出も良いですねえ。講釈師は威張ってないと。
講釈の持つ随筆的な部分を堪能できました。圓橘師匠も久々釈の気品を聞いたと絶賛!
机は神田伯龍の遺品を使って頂きました。20年近く前ですが、当時の伯龍独演会に遊びに来てくれた同業者は南湖先生だけ。
懐かしい対面となりました。
ぐっと砕けて楽しい橘家竹蔵師匠には艶笑落語とお座敷芸をお願いしました。
何が出るかは当日にならないとわかりませんでした。
小噺だくさん+『風呂屋の娘』。さて、こりゃ何の仕種かな?
とても申し上げられません。
これも滅多に観られません。「権助の夜這い」。
最後の幇間の一人、桜川善平師匠直伝のもの。
権助と女中の二役を演じます。こんなお座敷芸を見られた方はお幸せです。
こちらが権助。
こちら女中。
ここでお仲入りを頂戴し、青空うれし先生の登場。
1月5日に86歳の誕生日を迎えたばかり。
「もうダメだって言われた。余命30年だってよ」と快調そのもの。
ご自宅から車を飛ばしての楽屋入り。
歌謡曲全盛時代にかつて専属司会者を務めた大物歌手の
身の上話、身の下話に花が咲きます。
そして、主任は三遊亭圓橘師匠で圧巻の『庖丁』
三遊亭の誇りと矜持を体現する唯一無二の存在。
出囃子一杯(曲の終わりでピタリとお辞儀)の出の美しさにまずは感動!
音曲噺をたっぷり振って(『夜回り』『横根』)の本編が『庖丁』。圓橘師匠は声も節も素晴らしい。
下げは「魚屋へ返しに行くんだ」。この前に”横丁の”を入れるべきかが
議論の的で、圓生師匠もやはり相当悩んだようです。
『究極のバレ噺』は来年もやります。内容をさらに工夫し、練り上げて参ります。
来年は、疫病のことなんぞ忘れて開催し、ご参加いただければと思います。
祈るしかないのか!?