荒神山余聞『正太と安』余聞 寶井琴柳先生 | 有限会社宮岡博英事務所のブログ

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来る12日土曜日は、寶井琴柳・橘家圓太郎の長講激突二人会です。

侠客物の第一人者である琴柳先生には荒神山余聞「正太と安」のフルヴァージョンを

お願いしました。

放送では25分くらいにカットされることが多いのですが哀愁漂う作品だけフルサイズでみっちり聞きたいものです。

「荒神山余聞」というだけあって、この読み物は次郎長伝の荒神山の喧嘩のスピンオフストーリーなのです。

 

しかし正太郎も安太郎も実在した人物ではなく、三代目神田伯山が小伯山の時代に一龍齋貞國という人から

教わったものを磨き上げてほとんど創作で面白くしたと言います。次郎長を手掛ける前のことだったそうです。

 

五代目神田伯龍は、次郎長ものは師匠(三代目神田伯山)に敵わないという理由から手掛けず、

専らこの「正太と安」を得意としてやりました。「荒神山余聞」「安倍河原噂白浪」なんという芝居がかった副題は

五代目伯龍のもので、六代目も踏襲しました。

その点、六代目小金井芦州先生はシンプルに「安倍川の血煙」とか「庄太と安」だったと思います。

琴柳先生は芦州門下ですから、そっちの外題で上演すべきでしょうが、「荒神山余聞」と付記することで次郎長伝の

範疇ということが分かりやすくなるので敢えて加えました。

 

近年では、六代目伯龍の兄弟子、五代目神田伯山の十八番。この人も次郎長は師匠(三代目伯山)に敵わないからという言い訳でやりませんでした。

あの超絶的なノロいテンポの口調でも見事に啖呵になって喧嘩場にもなる。凄い芸の力です。

こちらも芸の家系が共通する故か、運びは六代目伯龍と大体同じ。しかし六代目芦州演、伯山演では正太と安の親分が栃山の小次郎、伯龍演では、堂山の竜蔵。浅間の竹次郎の首を持って正太と安が掛け合いに行く相手が六代目芦州演、伯山演が堂山の竜蔵、伯龍演では、栃山の小次郎となっていて相関関係が違います。

六代目伯龍は生前、自分の方が正しいと言って聞かなかったが、六代目芦州先生、伯山先生に尋ねれば、同じ答えが返ってくることでしょう。表記についても、「庄太と安」と題する演者が多いようですが、六代目伯龍は「正太と安」。この辺りはどうでも良いと思います。

話の終わりで六代目芦州演、伯山演では正太と安が堅気に戻る将来が示されているのに、六代目伯龍演ではこの先も悪事を働くことになっております。二人は別れ別れになり、正太は甲州に落ちます。この場面を「業平正太」として一度だけやってもらいました。

 

「仲の良き事、まことの兄弟のよう」

「日本一の役者が居る」「日本一うめえのか?」「日本一下手なんだ」

「おめえの正直には上にバカがつく」

「次郎長も叩っきっちゃう」

等々のたまらないフレーズ、台詞が頻発する傑作中の傑作。琴柳先生でこそ聞きたいネタです。

2019年10月12日(土曜日)日本橋亭 13時開演

全席自由 3000円(前売り)、3500円(当日)

 

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