ときどき通る県道沿いにある消防署。
入り口に掲示板があり、いつから掲示されているのかわからないほど日に焼けた何かの啓発ポスターと、その横に習字作品が1枚だけ貼ってある。
その習字作品が、
「かじ」
なのだ。
そう、ひらがなで「かじ」。書いた小学生の名前もちゃんと記してある。
上手だから選ばれて、ここに貼られているのだろうと思うが、書いた子、もう高校生ぐらいになっているのではないか。
それに、「かじ」ってどうなんだろうと思っちゃうんだけど。
消防署なんだから、せめて「しょうか」とか「ほうすい」とかどうなのよ。
…と、この「かじ」を見るたび思うんだけど、最近、似たような掲示を見つけた。
それは、店の入り口の左右に立てかけられている看板で、書かれているのが、
「ひえ」、そして「ひふ」
最初、「ひえ」が目についたので、雑穀屋さんかと思ったが、すぐ横に「ひふ」とあるのを見て謎が深まった。
後日、よくよく見たら、漢方薬を扱っているお店らしく、どうやら「冷え」と「皮膚」らしい。
いずれにしても、ひらがなは時と場合によってはインパクト大だと痛感した。
「火事」はともかく「冷え」と「皮膚」と書かれていたら、私はその店が何屋さんか確かめたいという気持ちにはならなかったと思う。
画数が 少なくシンプル 目立つ文字
鞠子