最近、うちからちょっと離れたバス停に、新しい自販機が設置された。
私はそれを反対車線側から見た。遠目でもよくわかるほど、自販機下部にでかでかと店名が記されている。
びっくりした。それは、地元でも由緒ある老舗の高級おつまみ店の名前だったからだ。
この店は、この店の名前を印字したおつまみばかりを取り揃えており、めっちゃおいしいものばかりそろっている。
いわゆる高級クラブでしゃれたお皿にちょっとだけ出される系のおつまみ。チョコレートなんか、本当においしい。
もちろん、お値段もしっかりしているから、そうそう買うことはできない。
私はと言えば、ときどき「自分へのご褒美」と弁解して、利用していた。
そういえば、最近、行ってないなあ、あの店。
それが自販機で買えるとは、ラッキーなような淋しいような、何かとっても複雑な気分。
そんな話をトモにしたら、彼女曰く「あの店ねえ、確か店頭売りはやめたはず」。
彼女の話によると、自販機売りとネット販売に切り替えたらしい。
それを聞いて、さらに淋しくなった。
ちなみに私が見た自販機。比較的交通量の多い国道沿いだし、何よりバス停なので、車を停めて買うことはできない。
たまたま長距離散歩で通りがかったとき、買ってみた。
自販機内は16度の温度に保たれている旨、電光表示されていたが、さすがにチョコレート系は入っていなかった。冬期には、中身が変わるかもしれないな。
いろいろ迷ったが、海鮮あられとイワシのせんべい、エビのおかきを買って、計1,100円投入した。
それぞれ小さなワンパック。
3袋をリュックに入れ、家に向かって歩きながら、こうして時代は変わっていくんだなとつくづく思い、また淋しさが倍増した。
エビおかき 来週トモと 共に食む
鞠子