(1)「読まない」けど「読める」言葉
「読まない漢字の意味」というコラムが新聞に載っていた。
例えば、ウクライナ出身の力士「安青錦(あおにしき)」。
文字を見、読み方を聞いても、取りあえず違和感はないが、よくよく考えればへんだ。
「青」一字で「あお」と読めるわけで、じゃあ頭の「安」は何なんだ、「青錦」で十分ではないか、ということになる。
読まないけど、その文字があることで、言葉としてのイメージ付けができる。
安青錦の場合、師匠が元関脇の安美錦であり、ここから一字取ったようだ。だから、「青錦」より「安青錦」とすることで、ああ、あの人の部屋にいる人なのね、とわかる。
「和泉」の「和」も「服部」の「部」も読んでいない、と紹介されていた。
なるほどぉ。
漢字のあそび心というか、器の深さというか。だから日本語は難しいということになるんだろうけど、こういう面白さ、AIも理解するんだろうか。
漢文の「置き字」。
原文にはあるが、訓読する際には読まない。
例として、断定や感嘆などを表す「焉」、場所や時間などを表す「於」が挙げられていた。
何だかめっちゃ、感動した。
読みはしないが、この字が一字あるだけで表現が深まる。
いわゆる今でいうスタンプと同じではないか。
…などと考え、面白いなと思ったが、一方で「置き字」という言葉が全く記憶にないことにがっかりした。
私、それ系の学部だったのに。
(2)「コメ」、そう「米」
政府の備蓄米が放出されたそうだが、米は依然高い。
ご飯大好き人の私としては、とても頭が痛い。
…はさておいて、米の語源の一説に「小目」があると聞いて、なるほどぉと思った。
米粒が目の形に似ているから「小目」。これが転じてコメに。
あるいは、小さな実なので「小実」、それがなまってコメに。
もみ殻の内にこもっているから、こもるが転じてコメに。
新聞のコラムは、私同様、備蓄米関連がテーマだったが、その前振りとして書かれた米の語源のほうがなるほどぉだった。
ちなみに私は、米の語源は「小目」だったらいいなあと思う。
AIに 負けない何か 死守したい
鞠子