年明け、昼飲みするために、長距離散歩を兼ねて隣町のステーキハウスをめざしていたとき、道中で隣家の御主人が運転する車と出くわしてしまい、「何でよりにもよって……」と思ったが、今日も同じ目に遭った。
家から片道約4,500歩のところにあるはま寿司で昼飲みしていたのである。
午後2時を過ぎていたがそこそこ混んでいた。
1人用のカウンター席に案内され、生ビールが到着したころ、右隣にいた男性客が席を立った。その後、ほどなくして、別の男性が着席。ちらっと目に入った後頭部の感じが「Sさんに似てるな」と思った。まさかと思ったが、一呼吸置いてから、仕切りのパーテーションから若干顔を出して確認したら、そのまさかが大当たり。
ついこの前まで私の担当だった、天下のディーラーTの営業マンSさんだった。
何でよりにもよって、ここで会う? それも、何でよりにもよって、隣の席?
昼から飲んでいたってとがめられる理由は一切ないが、それでもヒジョーにバツが悪い。
絶対、顔を合わせたくないと思った。
なのに、こういうときに限って、頼んだ「いかオクラ」が全然出てこない。頼んだ「イカの天ぷら」が熱くてたまらない。
隣がSさんじゃなかったら、もう1杯飲んで、「わさびなす」とか「カニサラダ」とか食べたのだが、そんな気は全くなくなった。
それどころか、口中やけどしながらイカの天ぷらを飲みこんで、そそくさと立ち去った。
何度もしつこいようだが、私は決して悪いことはしていない。
それなのに、逃げるようにはま寿司を出た。
正直、Sさんを恨んだ。
だが、そのおかけで、食べ過ぎず、飲み過ぎず、お金も安く済んだと思って怒りを収めよう。
···ってか、Sさん、何も悪くない。
私同様。
これこそ八つ当たりというもんだ(--;)
彼に会う 運命だったと 諦める
鞠子