あけぼの荘 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

最近、そこそこハマっている『夜のヒットスタジオ』の再放送。

今回、千田彩子なる全く記憶にない歌手が登場した。

 

この番組、頻繁に歌手とかかわりのある一般人が呼ばれて出てくる。

初恋の人とか同級生とか売れない時代にお世話してくれた人とか。その歌手が歌っている最中、花束なんか持たされたまますぐ近くに立たされ、その素人っぽいたたずまいや視線のやり場に困っている風が、今、観ると、なんとも気の毒でたまらない。

ところが、だ。この千田彩子さんの時は、老若男女、脈絡のなさそうな人がものすごい人数、ワラワラ登場してきた。

当の千田さん、全く知らない人ばかりのようで、目をぱちくりしている。

これが実は、驚きの集団だった。

 

千田彩子さんのその日の歌は『あけぼの荘』(←この歌名も驚きだが)。

集まった人々は、都内(←確か)にある『あけぼの荘』という名前のアパートに住んでいる人々だったのである。おまけに、生バンドの演奏者のなかにも『あけぼの荘』在住の人がいることが、その時判明した。

 

『夜の……』は昭和40年代から50年代の番組。

今のように、SNSを使って集めることはできなかっただろうと思う。『あけぼの荘』を調べるのも、ましてやそこに住んでいる人々に出演を打診するのも、相当手間がかかったはずだ。千田さんが出演するということも、1か月も2か月も前から決まっていたとは思えない。だから短い時間の間に人海戦術で集めたとしか考えられない。

 

すごいなあ、製作者の執念。と同時に当時ののんびり感。

『あけぼの荘』に住んでいる人が集まったからって、それがどうした?と思えなくもないが、なんかあの頃って平和だったんだなあと、千田さんの後ろに立っているスタジオからあふれんばかりの大勢の人々を見ながらつくづく思っちゃったのである。

 

 

 

 

あけぼの荘 今も都会の 片隅に

鞠子 

 

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