某商工会議所の人事が内定した旨、公になった。会頭も変わるとのこと。そこで、次期会頭が選任された理由を、現会頭がこう語った、と新聞に書かれていた。
「会頭は、地域の発展に重要な役割を果たせるような意欲や実行力がある人がふさわしい」
思わず吹いてしまった。
だって、それを言っているのが現会頭なんだから、つまり「私も意欲・実行力、ともにあります」と暗に言っているようなものじゃないの。
もちろん、次期会頭が優れた人であることをお言いになりたかったわけで、私の深読みは意地悪なんだけど。
現に他新聞を見たら、次期会頭について「温厚な人柄、識見、意欲や調整能力を高き評価し、重要な後任候補だと考えていた」と書かれており、相当ニュアンスが違っていた。
現会頭さんも意欲・実行力、ともにおありになるのだろうが、それを自分で言うと値打ちが下がる。
二紙を読み比べたからいいようなものの、もし、先出の一紙しか読まなかったら、現会頭さんに対して悪い印象だけが残ったな、と思う。
会ったことも見たこともなく、企業名と名前しか知らない人だけど。
ネットニュースなんかに比べ、新聞は書いた人・新聞社の責任が明確だが、それでも、鵜呑みは危険だとつくづく思った。
安穏としていると、知らぬ間に情報操作され、誘導されてしまう。
文章を公にするということは、本当に怖いことなのだ。
疑いを 持てるか持てぬか 分かれ道
鞠子