1週間ほど前、わが家の近くで火事があった。

近く、と言っても歩いて15分強かかる位置。いくつかある散歩コースのうちの一つで、たびたび通りかかるところ。

ニュースで見てびっくりした。なぜならその家、以前から「とても気になる家」だったから。

 

現場あたり、住宅密集地。

それも土地をたくさん所有する裕福な農家の地付きの家ばかり。だから「超古い大家屋」と建て直した「超新しいおされな家屋」が細い道沿いにびっしり建っている状態。

そんななか、火元となったこの家は「超古い大家屋」、かついわゆる「ゴミ屋敷」だった。そして玄関先、優しい顔つきの大きな犬が、いつもゴミに乗っかって寝そべっていた。

通りかかるたび、怖さ半分好奇心半分で、ついついのぞいた。どんな人が住んでいるんだろう、火事なんか出そうものなら大変なことになるぞ、といつも思った。

 

その悪い予感が的中してしまった。隣家にも飛び火し、2軒全焼。

右隣の家か左隣の家か。

たびたび通りかかる私ですら「危ないぞ」と思っていたくらいだから、隣接している家は、毎日さぞ怖かったのではないかと思う。

 

火事後、昨日初めてそのコースで散歩した。

ひどかった。多量のごみは、黒い灰と化し、なくなってしまっていた。軽自動車が2台「枠だけ」になっている。まだ異臭もする。

それよりなにより驚いたのは、「飛び火した隣家」が左隣の家でも右隣の家でもなく、「上の家」だったことだ。

火元の家がある通りは小高い山に沿った道沿い。その道と並行する感じで山を削った道があり、その道沿いにも住宅が建ち並んでいた。つまり、火は左右ではなく、上に上がったのだ。

延焼した家は、「突然、家の裏側の下方から火が上がってきた」ということになる。

火元の家から見事に縦に2軒、全焼していた。こんな光景、想像もしていなかった。

 

火事は自分の家だけですまない。本当に嫌だとつくづく思った。

 

あの大きなワンちゃん、どうしただろうか。

人的被害が出るという最悪な結果になってしまった以上、絶望的な気がしてならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬の 炎ですべて 無機になる

鞠子

 

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