針に糸を通せる人と通せない人の差も不可思議だが、最近、自分の身体に関し、摩訶不思議な現象がときどき発生する。
近々で言えば……
ある朝、起きてからしばらくした後、左足のひざにちょっと痛みが走ったのである。
歩いているときとか体をひねったときとかならわかるのだが、座っていたとき急にきた一瞬の痛みだった。
摩訶不思議に思いながらもその日一日、ひざを使う行動は注意していた。
…のもその日と翌日だけ。以後、全く痛みなく、今日に至っている。
それからしばらくのち、ある日の仕事中の夕方、おなかに痛みを覚えた。よくある痛みの種類なのだが、一向にひかないのである。下痢とかもしない。ただ、おなかが痛いだけ。
大腸系か婦人科系か…… このときはさすがに、これはいけないぞ、と思った。
とりあえず食事を控え、家にあった胃腸薬を飲んで寝たが、痛みは続く。だが、我慢できないかと言えばそれほどでもない。
明日朝一番で病院へ……と思ったが、じゃあ検査、となっても昨年「あなたは内視鏡検査不適合です」と宣言されたばかりでどうしたものかと不安増大。
結局、寝たか寝ないかわからない一夜の翌朝、若干、痛みがひいている気がしないでもなかった。ますます医者に行くほどでもない程度の痛みになっている。そのくせ、下痢も便秘もなく、そういう意味では快調。
結局このときも、3日もしないうちに痛みはすっかりなくなった。数日、食事には気をつけたが、この間、おなかのなかでいったい何が起こっていたのか、全く不明。
そして先週末。
左ほおの内側に、大きな血豆ができているのを発見し、仰天した。奥歯で噛んだらしいのだが覚えがない。
これも医者行きか? 歯科じゃないよな。いったいどういう医院に行けばいいのか?
と思ったが、翌朝、「豆」はなくなり、赤い「豆痕」だけ残っていた。それも翌々日には全くなくなっていた。
だが夕べ。
今度は舌の裏側に、同様の血豆っぽいものが…… 膨らみはない。この前の血豆の「翌々日」の様相。しかしこんなところ、噛むわけがない。
今度こそ、覚悟するしかない、と思ったが、今朝見たら、すっかりなくなっていた。
どれも症状が消えたからといって、大丈夫だとは限らないが、こういうことに一喜一憂するのに疲れてきた。
疲れるほど、摩訶不思議な現象が頻発する。
これも「老」の一種なのか。
あるいは、もはや手遅れなほど重篤な変化が起こっているのか………
この皮膚の 下で暴れる 者多数
鞠子