仕事用で信金に行ったら、「サマーキャンぺーン」のチラシを渡された。
定期預金とか投資信託とかすると、景品が選べる。そのなかの「ジュートバック」がめっちゃ気になった。
形といいデザインといい、なかなかおされ。
一人緊急事態発令中につきスイミング通いを自粛してはいるが、スイミング用にはもってこいの大きさ。
…ということで、このバック目当てに夏のボーナスを定期預金にした。
さっそく窓口で手続き。「景品は、バックでお願いします」と言ったら、女性行員さん、ポツッと「景品はつきませんが、利息が少しいい定期預金もあるんですけど」とおっしゃった。
一瞬、ひるみはしたが、いやいややっぱりバックでしょう、と思い直し丁寧に断った。
手続き終了後、行員さん、後方からバックを持って登場。
見るなり、ショーゲキが走った。
……想像してたものと、違う……
質感とか手にした感じとかが、チラシから想像したものよりチャチい。
……しまった、これなら利息がいい方がよかった……
ま、もらってしまったので使うけど、なんとなく物悲しい。
これをもらうために、いそいそ信金に行った自分が悲しいし。
おまけに今朝、出勤途中、目の前にいたバイクが、後ろっ側にこのジュートバックをぶら下げていた。
バイクのことは全然わからないが、パッと見、かなり高価そうなかっこいいバイクだった。
乗ってるのも、ヘビメタ風のオニイサンだった。
だからよけいにジュートバックが情けなく見えた。
ますます悲しくなった。
いずれ私もこのバック片手にスイミングに通う。
きっと、哀愁漂う姿だろうなあ。
物よりも 物を欲した我 哀れ
鞠子