コロナ禍、初ナマ演奏会でオールショパンプログラムを弾くのはヤノシュ・オレイニチャク。
映画『戦場のピアニスト』ですべてのピアノ演奏をしたピアニスト、なのだそうだ。
トモに聞くまで、そのこと、知らなかった。
演奏会に行くのはまだ怖く、迷ったのだが、地元での開催だし、ショパンだし、聴いてみたい気が勝ってしまい、結局、行った。
好きなピアニストはダン・タイ・ソンと小山実稚恵さん。今までこの人たちの弾くショパンを何度も聴いた。
その都度、堪能したが、今回のオレイニチャクの演奏では、全然種類の違う感慨にとらわれた。
「人の原罪」を表しているような。
自分の思いはあえて押し殺し、聴衆に投げかけるような。
コロナ禍ならではのショパン。
コロナ禍でなければ、オレイニチャクはこういう表現をしなかったのではないか。
知っている曲ばかりだったが、初めて聴いたような思いだった。
素晴らしい音楽は、素晴らしい表現者の手でいかようにも主張を変える。
そうしていつまでも残っていく。