今日、職場で「カブトムシ譲渡会」があった。

…って大げさなものではなく、T家からE家へ、オス・メス1匹ずつ、進呈されただけのことなんだが。

 

T家では、小学生の息子ちゃんがカブトムシファン。ホームセンターで購入し、せっせと世話をした結果、増えすぎてしまった。

一方のE家は、小学生の娘ちゃんなんだけどやっぱりカブトムシファン。それがなかなかうまく育たず、願ったりかなったりでT家から譲り受けることになったわけ。

 

今日、1匹ずつ飼育ケースに入れられたカブトムシを、私は初めて間近で見た。

おがくずのような土の上に、葉っぱが何枚かしつらえられ、切り株をかたどったエサ(『蒟蒻畑』みたいなポーション型のもの)が置かれている。

そこに足をかけ、ゆったりと触覚様のものを動かしているオス。

なんともスローで緩慢。

全くこわいものなし、の風格じゃないの。

 

一方メスは、必死に「埋まろう」とする。

Tクンがいったん取り出したが、すぐまた「埋まろう」として、切り株エサをも持ち上げてしまうほどの力。

Tクンに言わせると「ときどき飼育ケースの蓋をあけて家出する」ほど力持ち。

 

カブト2匹、しばし眺めていた。

飽きない。癒された。

このカブトたち、コロナだ豪雨だ、金だ酒だと右往左往している人間など、歯牙にもかけない如く。

 

こんなの、家にいてぼんやりながめていたら、いいかもしれない…と真剣に考えてしまった。

「グッズは100均でも十分そろいますよ」なんだそうだ。

 

ムシ、嫌いなのに、癒された自分がとっても意外だった。