昨日の夜9時から、ずっと探し物をしていた。
「家用のメガネ」がどこを探しても見当たらないのである。
私はいわゆるローガンが始まってから、皮肉なことに、日常生活なら裸眼で過ごせる状態になってしまった。
メガネやコンタクトレンズは近視用なので、例えば車を運転するとき、テレビを観るときは絶対必要。
だがそれ以外は、むしろ裸眼のほうが快適なのだ。
仕事中も、遠くのホワイトボードや壁に貼られたカレンダーを見るとき以外は、やっぱり裸眼のほうがよろしい。
結果、もともと家ではメガネ生活だったのだが、こういう状態になってからは、逆にメガネをかけたりはずしたりしなければならなくなったのだ。
家用メガネは丸くて大きなレンズのもの(←アラレちゃんみたいな)。
昨日夕方、ちょっと玄関先に出たときには、間違いなくメガネをかけていた。その後、あれこれし、お風呂に入り、テレビを観ながら晩酌…となったら、メガネがないことに気がついた。
どこを探しても、ない。
行動を思い出し、2階も1階もくまなく見たが、ない。
落としたら、音がする。割れたりしたら、もっと音がするはずだ。
そういえば、漱石だったか太宰だったか。愛用の万年筆をなくした、という話を思い出した。
家中、しらみつぶしに探したが出てこず、諦めた。
この職業の人たちにとって愛用の万年筆は、決して他では代替がきかぬ大切なものに違いない。つまり、「しらみ」どころか「コロナウイルス」をつぶすくらい、真剣に探したんだと思う。それでも出てこなかったのだ。私の「あってもなくてもさほど影響がない」メガネが出てくるはずがない。
諦めた。昨夜は外用のメガネで飲みながらテレビを観た。
それにしても、夕方以降、どこにも外出していない以上、家の中のどこかに絶対あるはずだ。
先出の作家氏の万年筆は、その年の暮れだったか翌年だったか、壁にかけた額の裏側から出てきた。
しかし私は、「メガネを額の裏側に入れるという動作」をしていないことだけは、神に誓って言える。
で、この問題の家用メガネ、さっき偶然見つかったんだけどね。
いったいどこにあったと思う?
…洗濯バサミが入っているカゴの中。
なぜそんなところにあったのか。
馬鹿らしくて書く気にもならない。
見つかりはしたものの、その理由に思いっきり落胆した。