朝、職場に到着してから「家にお弁当忘れた!」ことに気がついた。
「最近、うっかり多くないですか?」
「いよいよ年ですね」
オトコ後輩たちは、ここぞとばかり復讐発言をする。
だがしかし、あたっているだけに返す言葉がない。
ちょうど、事務用品を買うべく外出する用があったので、昼休みにかけて家で昼を済ませてくることになった。上司殿も、今日は昼から夕方までのロングラン会議でずっと職場にいるため「ゆっくり食べてこればいい」と温かい言葉をかけてくれた。

…ところが…

午前10時すぎたころに、客様Y社長から上司宛に電話がかかってきた。
話をしたいことがあるので、時間をとってくれという依頼だ。
今日、自分もロングラン会議に出席するので、その前か後、どちらかで。

…いやな予感がした。
この話の中身、十分に想像できる。上司殿にとっては、聞きたくないウザい話だ。
ただ、確かにウザくはあるが、私たちとしては真剣に考えなければならない問題をはらんでいる。

数日前、すでにY社長は「ウザいが大事な要件の一端」をオトコ後輩Tに漏らしていた。
そのとき、Tは内容をやんわり上司殿に報告したのだが、上司殿は露骨に嫌な顔をした。

それで今日の電話、ときた。

「今日は忙しくて時間がとれない」…上司殿はつっけんどんに応対した。
でもY社長もどうやら後へは引かないようだ。

…電話のやりとりを聞いてて、私など、後ろで震え上がっていた。
客様相手に、あんなものの言い方、するか?
断ったって、Y社長はロングラン会議には来るわけで、絶対顔をあわせることになるではないか。
それにそもそもその話、本質的な問題で、スタッフ会議の議題に挙げるべきことじゃないのか?

結局上司殿はY社長に押し切られた。
以後、上司殿の機嫌の悪いこと悪いこと(--;)
会議にやってきた他の客様に、挨拶すらしない。
幸か不幸か、ロングラン会議に出席する客様は、上司殿が普段から「見下している人」ばかり。よけいに八つ当たりがエスカレートする。

だからね、この上司、人間として決して好きになれない。

…ええ、当然、私も当たられましたわ。
「ゆっくり食べてこればいい」と言っていたのに、発言は一変。

「出るとき、留守電にしといてっ!」