名古屋第二赤十字病院で、国内初の子宮生体移植手術の研究が進められるという記事を見た。

あわせて生まれつき子宮がない「ロキタンスキー症候群」(←この病、私は初めて知った)の女性の話も載っていた。

 

彼女は「結婚も子育ても、一生、あり得ない」と絶望していたが、理解ある男性と知り合い結婚した。

そして幸せな毎日を送っている。

だが、子どもがほしいという思いはなくならない。

彼女曰く「人間って、幸せなら幸せで、また次の幸せがほしくなる」。

 

大変申し訳ないが、子宮生体移植手術のことより、彼女のこの一言にドキリとした。

そうそう、必ず次の幸せがほしくなる。そういうふうにできている。

 

毎日、大小様々な不満や不安がいっぱいなのだが、たとえば今、戦争中だったらどうだろう。

何らかの理由で「もう食べるものがない」という状況に置かれていたとしたらどうだろう。

今、抱えている大小様々な不満や不安など、どうでもいいことばかりだし、後回しにしてもいいことばかり。

・・・と理屈ではわかるが、実際はやっぱり大小さまざまな不満や不安で、押しつぶされそうな日々を送っている。

 

さらには、これらの不満や不安は解決しにくいものであり、たとえ解決しても決して100%の満足感など得られない。年を重ねるにつれ、そのことを痛切に感じるからなお、ため息が出る。

 

幸せなら幸せで、また次の幸せがほしくなる、か。

これを「向上心」、または「欲深」「身勝手」とも言う。

 

 

 

 

 

目の前の不満と未来の不確かと

鞠子