ナミダのクッキングNo.2359 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

本日の映画鑑賞は、島耕二監督『細雪』。
1959年の作品だ。

谷崎潤一郎『細雪』と言えば、かなりの長編。
それも、WWⅡ前後の時代の大阪の没落旧家、美人四姉妹のド・セレブ生活が、たんたんと書かれたもの。
つまり、毎日、大なり小なり事件が起こり、うごめく人間模様が見事に描かれるが、これといった結論はないのである。

こういうものを、2時間程度の映画に仕立てるということは、監督によって、取り上げるエピソードやテーマが大きく異なり、結果、全然違った作品になる可能性が高い、ということだ。

以前、市川崑監督の作品も観た。
こちらは、三女・雪子(吉永小百合)の描き方が特徴的だった。
おとなしい顔をして、義兄に思わせぶりな態度をとる「小悪魔ぶり」に、ドキリとする。
一方、今回観た作品は、四女・妙子(叶順子)の弾けぶり、ケセラセラぶりに目がいく。
彼女の「思い通りに生きよう」とする言動は、甘いし軽いが、胸がすく思いもした。

で、島作品も市川作品も、やっぱりこれといった結論はないのである。

当世きっての人気女優を並べて観れる。
彼女らは、ファッションショーばりに、豪華な着物をとっかえひっかえして登場する。
それが一番のセールスポイントだったに違いない。

なんてったって、映画は娯楽だもん。
美人女優目的だって、全然、悪くない。

それにしても島作品、二女・幸子(京マチ子)、三女・雪子(山本富士子)、メイクが超濃い。
幸子は「高級クラブのママ」、雪子は「石膏でパック中・板のようなつけまつげ装着中」に見えた。




映像に当時の息吹を懐かしむ
鞠子