映画、観ました。
『トッド・ソロンズの子犬物語』
題名からしても、登場するのがダックスフントであることからしても、当然「主役はユーモラスなワンコ」と思っていたのだが、犬は完全に脇役だった。
犬を飼っている人々が、とっても「こっけい」なのである。
というか、「人間のこっけいさ」を犬で味付けして描いた作品なのだった。
ゆるいオムニバス形式。
ダックスフント、「ガンを患う子どもがいる家庭」に飼われる。
去勢手術でひと悶着。
人間用のシリアルを食べちゃって大騒動。
とうとう安楽死ということに…
だがしかし、
このダックスちゃん、ひょんないきさつで「動物病院に勤める助手」に飼われることになる。
彼女は、ドッグフードを買いに入った店で久し振りに同級生と会うのだが、どうやら彼はドラッグ漬け。
なんとなく流れで、その弟夫婦の家を犬ともども訪ねるのだが、この弟夫婦はともにハンディキャッパー。
またダックスちゃん、「映画学校の講師」に飼われ、指導者として脚本家としてがけっぷちにいる買い主の悲哀をまともに浴びる。
さらには余命いくばくもなさそうな金持ちのおばあさんに飼われ、孫娘の危険な無心を目の当たりにする。
どれもこれも、すぐ目の前にありそな「こっけいさ」「愚かさ」「ばかばかしさ」で、笑うに笑えなかった。
その横で、何食わぬ顔をしてぺたぺた歩く不格好なダックスフントがまた笑うに笑えない、といった有様。
しかしアメリカ映画はここまでよくやるな。
去勢手術事件は、堂々たる性教育。
ハンディキャッパーの夫婦、本当のハンディキャッパーを登用している。
彼らがとても純でかわいいのだが、日本映画なら、性教育もハンディもここまでストレートに描かないだろう、と思う。
もちろん、どっちがいい、という話ではない。
日本もアメリカも特徴を生かして、面白い映画を見せてくれればいいのデアル。
正しいと信じるその手もただ愚か
鞠子