ナミダのクッキングNo.2084 | 鞠子のブログ『ナミダのクッキング』

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今日、ちょっぴり悲しかったこと…

NHK土曜ドラマ『夏目漱石の妻』、堪能した。

漱石の妻・鏡子さん。
前に、原作となった『漱石の思い出』を読んだとき、「この妻あっての漱石だったんだ」とすごく納得した。
と、同時に、鏡子さん、よくこんなに明瞭に記憶しているなと感動モノだった。

ドラマは全4回。
各所、省略・集約・創作してある。
でもおもしろかった。
「絶対似てない」と思った長谷川博巳の漱石、回を重ねるごとにそっくりに見えてくるのがとっても不思議だった。

漱石限定の文学講座を受け始めて2年。
それまで、漱石を深く読んだことがなかった。
その2年の結果、私にとって漱石は、「なんとも不思議な存在」。
漱石が好きになったか?と問われたら、単純に「Yes」とは言えないのだ。
もちろん「No」でもない。

「すごすぎる」、とでも言えばいいのか。
折り紙で鶴を折るとき、わすかな折りずれも許さない。
丹念に丹念に、丁寧に丁寧に、角まできちっと折る。
そんな感じの文章。
あまりのずれのなさに、時として辟易する。
しかし、強烈に響く表現、鋭い心理描写など、いつまでも胸に残ってしまう。

ただいま、『行人』を学び中。
大学教授の夫と妻の心のスレ違い、妻を信じられない夫の苦悩。
いらいらするんだけど、気持ちはよくわかる。

こういう繰り返しで、結局、渦中にひきずりこまれている( ̄▽ ̄;)



追憶の紫の帯夏の午後〈漱石『文鳥』より〉
鞠子