春休みを経て、昨夜から合唱団の練習が再開した。

BACHのカンタータ78番。
のっけから新曲。練習会場で楽譜を購入。
もちろん、初見。

私は前からカンタータを勉強したいと思っていたので、ルンルン気分で参加したのだが、行きなり出鼻をくじかれた。
1曲目の最初から2小節目の音がどうしても取れないのである。

♭やらナチュラルやらがいくつか出てきて、旋律が頭の中ですら理解できない。
他パートの練習中、必死に音を探ったが、見当がつかない。

もとより、パートごとの練習を丁寧に徹底する指導はされない。
結局、最後まで音の確信が持てなかった。

とっても悔しくて、今日、さっそくピアノで弾いてみた。

…そうかぁ、これは私的には大変取りにくい旋律だ。
何度も弾いてみたが、たった1つの小節が、全然自分のものにならなかった。

以後、何をしていても、取れない2小節目が頭の中でリフレインしている。

…今さらながら、BACHの難しさを思い知った。

…などと愚痴ってみたが、カンタータ78番の1曲目は、実は切なく美しい曲なのである。
誰にも触れられたくない心の奥底をそっと抱きしめられて、思わず涙してしまうような、しみる曲なのである。

この曲が提示されたのはもちろん全くの偶然なのだが、CDを聴いてガクゼンとした。
まるで、今の私の心持ちを言い当てたかのような曲だったから。

…もちろん、まだ、歌えない。



恋心臨時記号に乱さるる       鞠子