今日は何とも複雑な顛末に遭遇した。
懲りない私は、今晩から地元のカルチャーセンターで「クラシック講座」をシリーズで受講することになっていた。
オペラ作品を中心に鑑賞、解説してくれるのは隣県S女子大の講師。
今日が初回だったのである。
19時20分から。
もちろん、職場から直行。
受付をすませ、駐車割引券をもらい、席についたら開始時間ギリギリだった。
幸い講師はまだおらず、助かった。
…と思ったのだが、とんでもない結末が待っていたのである。
5分過ぎても講師が来ない。
こういう有料講座に遅刻する講師ってアリか?と疑問を持ちつつ待つことさらに5分。
やっぱり講師が来ないのである。
そこへカルチャーセンターのスタッフが、息せききって飛び込んできて、「今、講師と連絡を取ったのですが、今日の講座は休講になりました」と平謝りし始めた。
なんでも、
今日が初日の出講であることは、講師に最終連絡し、きちんと確認した。
ところがその後、講師は「腫瘍ができている」ことが発覚。
あまりにショックで今日の出講が「頭からすっぽり抜けてしまった」、のだそうだ。
これ、どう思う?
私、腹が立つだけにとどまらず、妙に複雑な気分になった。
〈「怒り」はこれ〉
突然の「腫瘍宣告」に頭が真っ白になるのは、私も経験者ゆえ、とてもよくわかる。
だがしかし、「緊急手術で意識がない」わけではないのに「仕事を無断ですっぽかす」か?
キャンセルする旨、とりあえず電話1本すればすむことではないか?
〈「気の毒に…」はこれ〉
写真で見る限り、講師はまだ若い。
仕事をすっぽかすほど重篤な病。
これはとても気の毒だ。
〈もひとつ「気の毒に…」はこれ〉
カルチャーセンターのスタッフ。
私の仕事も「似たところ」がある。
講師が来ない、報告者が来ないというあせりは並大抵じゃない。
全く気の毒ったらなかった。
〈ただ「いいのか、これって」はこれ〉
スタッフのあせりはわかるけど、講師の病気をここまでオープンにしてもいいのか?
究極の個人情報ではないか。
…などと、いろんな思いを反芻しつつ、すごすごと家に帰ったのである。
ところで今後、この講座がどうなるかは、手術するか、しないか、講師の治療方針待ちなんだそうだ。
…とまた、個人情報があからさまに。