朝のミーティングで、客様に関する報告がなされた。
1つはS社。主業務はプロパンガスの販売だったのだが、この部門を譲渡し、業態が大きく変ったという情報。
もう1つはR社。年末に会長が心筋梗塞で倒れて緊急手術、幸いなことに現在、順調に回復に向かっているという情報。
どちらも「青天の霹靂」。
ミーティングが終わってからも、ひとしきり、この話題で、もちきりだった。
・・・そうして粛々と時間は流れ、午前中の仕事が終わり、昼休みをはさんで、午後からの仕事に入ってしばらくしたころ、
「ごっとーん」という鈍くて大きな音が外部から聞こえてきた。
ものすごい鈍さと重さを持った聞いたことのない音。
とにかく「ごっとーん」としか表現できない。
瞬間、頭をよぎったのは、「大型のプロパンガスボンべが倒れた」、だった。
急いで音のした方向の窓から、外を見てみた。
…音源は、3台が絡んだ交通事故だった。
似たような幅の道が交差するせまい十字路。
真ん中にバンパーが外れてしまった軽自動車が斜めに止まっている。
その少し先に、運転席側を下にして横転した軽自動車が道をふさいでいる。
その脇にあるマンションの駐車場で、停めてあったこれまた軽自動車の前部分がべっこりへこんでいる。
横転した車から、運転手が「潜水艦から出てくる」みたいに、上向きに自力で這い出してきた。
ぱっと見、結構な状況だ。
マンションから人が出てきた。近くの消防署から署員らしき人がやってきた。少しして、パトカーも来たしJAFも来た。
ふだん、たいした交通量ではないのだが、こうして1箇所滞った時に限って東西南北から車がやってくる。
バックしようにもしづらい道幅。寄ったら路肩に落ちそう。
事故現場の交差点にむかって、たちまち何台もの車がにらみ合って立ち往生。
瞬間、頭をよぎったのは、「血栓ができると血液はこういうふうに滞るんだろうな、きっと」、だった。
…不謹慎にも笑えた。
今朝の「青天の霹靂」が無意識の間に頭に残っていて、プロパンガスのボンベだの、血栓だの、何の脈絡もないことを思い浮かべたみたい。
とりあえず、けが人はいないようだからよかったけど。
潜水艦から出てきた若い子、明日、あちこち痛いだろうな。