私がスイミングに通い、ひたすら長距離を泳いでいるのは、「肺活量を増やしたいから」だ。
水の中でうまく息を吐ききれば、水面から顔を出した時に、意識しなくても自然と息をたっぷり吸えるはずだ。
この感覚が歌に生きる…と勝手に判断して、スイミングに行っているのである。

だが、そんな理由をスイミングで会う人々に言ったらバカにされるに違いない。
…というより、歌ってカラオケ?  コーラス?なんて聞かれ、Bachです、だの、Mozartです、と答えたら、たぶんシラ~っとしてしまう。
なにさ、お高くとまってて…なんて。
「天童よしみです」なら、共感されると思うが。

はなから水泳技術を上げようという気は全くないわけで、どんなにスクールレッスンに誘われても、やんわり固辞している。
うちのスイミングは月会費だけで、レッスン料は無料なんだけどね。

今日も、二人の人に誘われた。
木曜夜のレッスンは、最初に15分ほど水中で、ビーチボールバレーをするのである。

「一緒にやろうよ」
「泳ぐばかりじゃなくて、たまには変わったことをしてみるのもいいわよ」

…確かに、楽しそうではある。
微妙に心が動いた。

だが、こう言われて、迷いはふっきれた。

「大声出して、ストレス発散できるわよ」

…これはダメだ。
プールで大声出したら、あっという間にノドは壊れる。
普段から、何をしててもできるだけ、大声は出さないようにしてるのに。

…ということで、今日もさりげなくお断りして帰ってきた。

誘ってくれる皆さん、ありがとうございます。
お気遣い、感謝しておりますが、ビーチボールバレーはかくいう理由で参加しませんので、ご了承願います。