個人情報云々、随分ナーバスな時代になのに、こんなミス場面に巻き込まれた。
病院に行き、とある検査をした。
結果はシロだったが、念のため、もうひとつ、別の検査をすることになり、「帰りがけ、採血していって下さい」と言われた。
それで診療科の待ち合い室で、血液検査依頼書が出てくるのを待ってたら、制服の病院スタッフが近づいてきた。
そして、「問診票を書いて下さい」と書類を差し出したのだ。
ふうん、今や血の検査にも問診票が必要なのか…といぶかしく思いながら、年齢とか体重とか、何項目か書いたところで、さっきの病院スタッフが、別の用紙を持って再び近づいてきた。
そして、
「これはお返ししときます」と、書類を差し出した。
え?返される書類など、何もないはずだ。一体これは何の書類か?
…と思いつつ書類を見たら、冒頭に、
「カワセ某さま」と書いてある。
え?私、カワセじゃない。
慌ててスタッフを呼び止めた。
「あのぉ、私、カワセじゃないですけど」
…そう言ったが、スタッフは、
「え?カワセさんですよ。カワセさんですよね?」
と怪訝そうな顔だ。
カワセ、カワセと何度も「カワセ」が行き来したあと、目の前に座っていた女性がおもむろに、
「私、カワセですが」
と、静かに宣われた。
そうだよ、スタッフが私をカワセさんと勘違いしたのだよ。
でも、ちらりと個人情報を見てしまった私は大変バツが悪かった。
書類は、健康診断の結果だった。
病院は、名前や生年月日などで、しつこいくらい厳重に本人確認するでしょう。
なのにこれはどうなのよ。
厳しい言い方だけど、たるんでいるとしか思えなかった。
本物のカワセさんが診察室に呼ばれるまで、ほんとにバツが悪かった(-.-;)