リンゴを見ても、リンゴに見えない人がいる。
私が見ている「リンゴ」の形と、アナタが見ている「リンゴ」の形が一緒かどうかは確かめようがない。
…って聞いたのか、読んだのかさだかじゃないんだけど、結構、衝撃的だった。
そんなふうに考えたことなかったもん。
「人間の感覚は、永い時間をかけて、眼球の圧倒的優位な状況に落ち込んできてしまっている。見えていることが、まるで識っていることと等価になりつつあるのではないだろうか」
…これは、田中泯さんの初のエッセイ集『僕はずっと裸だった-前衛ダンサーの身体論』の中での提起。
ちなみに田中泯さんはダンサー。裸体舞踊家。フランス政府より芸術文化騎士章受賞。さらには朝日舞台芸術賞、吉阪隆正賞受賞。
…などという華やかな受賞歴より、私にとっては『ハゲタカ』の加藤幸夫であり『龍馬伝』の吉田東洋。踊り手だと知ったのはごく最近で、『場踊り』はじかに観た。
主張は続く。
「物を見るように人を見る。存在の表面を見て裏面を空想することに怠惰な大人」
…痛烈な一言だ。
「目隠しをして触覚、聴覚、嗅覚などを目覚めさせる訓練がある」
言われてみれば、確かにこれは大事なことだけど、意識的に機会を作らなければできない訓練。
「さまざまな感覚の中でも『気配』を感じる感覚というのがある。気配とは主に聴覚や直感により、それと感ぜられる様子、雰囲気、きざし、そぶり。直感もまた不確かな計測不能な感覚ではあるのだが、確かにある」
気配を感じる感覚、直感という感覚、これらはもともとヒトに備わっていたものなのに、だんだん使わなくてもすむようになっていく。
こんな便利な日常に甘んじていたら、
どこかで想像もしなかったようなしっぺ返しがくるのではないか…などと、漠然とした不安にかられることがある。
…そんな不安、ないですか…
私が見ている「リンゴ」の形と、アナタが見ている「リンゴ」の形が一緒かどうかは確かめようがない。
…って聞いたのか、読んだのかさだかじゃないんだけど、結構、衝撃的だった。
そんなふうに考えたことなかったもん。
「人間の感覚は、永い時間をかけて、眼球の圧倒的優位な状況に落ち込んできてしまっている。見えていることが、まるで識っていることと等価になりつつあるのではないだろうか」
…これは、田中泯さんの初のエッセイ集『僕はずっと裸だった-前衛ダンサーの身体論』の中での提起。
ちなみに田中泯さんはダンサー。裸体舞踊家。フランス政府より芸術文化騎士章受賞。さらには朝日舞台芸術賞、吉阪隆正賞受賞。
…などという華やかな受賞歴より、私にとっては『ハゲタカ』の加藤幸夫であり『龍馬伝』の吉田東洋。踊り手だと知ったのはごく最近で、『場踊り』はじかに観た。
主張は続く。
「物を見るように人を見る。存在の表面を見て裏面を空想することに怠惰な大人」
…痛烈な一言だ。
「目隠しをして触覚、聴覚、嗅覚などを目覚めさせる訓練がある」
言われてみれば、確かにこれは大事なことだけど、意識的に機会を作らなければできない訓練。
「さまざまな感覚の中でも『気配』を感じる感覚というのがある。気配とは主に聴覚や直感により、それと感ぜられる様子、雰囲気、きざし、そぶり。直感もまた不確かな計測不能な感覚ではあるのだが、確かにある」
気配を感じる感覚、直感という感覚、これらはもともとヒトに備わっていたものなのに、だんだん使わなくてもすむようになっていく。
こんな便利な日常に甘んじていたら、
どこかで想像もしなかったようなしっぺ返しがくるのではないか…などと、漠然とした不安にかられることがある。
…そんな不安、ないですか…