母がこどもに願ってきたのは、そんなことだった。
一番以外は、認めなかった。
彼女は、その母から、うまく、接してもらえなかったようだ。
私は、一番であることを願っていない。
今は。
私はちょっと変でも、私らしくありたい。
失敗することも恐れない。
それが無駄ではないことを知っているから。
不幸は、幸福の素であることが多い。
母にそんなことを語りたかった。
背伸びしなくていいんだよ。
ありのままで、と。
結婚してから、母は、一切、うちには、口出しをしなかったし、
うちに遊びに来ることもなかった。
安堵したのだと思う。
父は、男性としては、少し幼稚だったと思う。
晩年は、母とは、仲が悪かった。
母は、父に惚れて、こどもを置いて、前夫の元を飛び出した。
私だったら、どうしただろう?
そんなことを思ったりする。
人は、望み通りに生きれないこともある。
だが、人生は、素敵なものだと思う。
明日があるということに満足している今の自分がいい。
亡母にも、安堵の心を贈りたい。
人は、自分らしくでいいんだよと。