主人は、わりと頭が良いのだが、センスが悪い。

もう、66歳になるというのに、田舎の中学生のような格好をしている。

どんぐりのようなダサい毛糸の帽子と首巻きをしている。

 

なぜ、ダサいのか?

考えてみるに。

ケチだからだと思う。

 

お金を遣わないので、失敗をしたことがないので、センスが養われない。

 

彼の実家は、公務員なので、貧乏であった。

うちも公務員だったので、貧乏だった。

 

が、長じて、お金が遣えるようになってから、彼と私の道は分かれたと思っている。

 

私は、お金を遣って、トライ・アンド・エラーを繰り返して、センスを磨いた。

しまった!

こんなの買うんじゃなかったと何度、後悔しただろうか?

その繰り返しで、失敗しないように、勉強したのだ。

 

買い物とは、買ってみないとわからない。

いいと思って、買っても、使ってみると、着てみると、ぜんぜん、自分には

似合わないことがわかるものだ。

 

この買ってみるということがポイントだ。

 

彼は、高いものを買ったことがないのだ。

3000円と2000円のものがあったら、間違いなく、2000円のものを買う。

迷わずだ。

 

センスだけは、お金がいる。

彼に教えてあげたいところだが、彼のケチは筋金入りだ。

ある信念のようなものさえ、感じる。

2000円以上は、遣わないという・・・