多宝抄より。池田大作著。

 

幸福の鍛冶屋

ロシアのノーベル賞作家ショーロホフ氏にモスクワでお会いしたのは、氏が六十九歳のときでした。血色もよく、白髪で小柄ながら、文学的巨人の深さと気骨ともいうべき風格が漂っていました。

「一定の目的に向かう信念のない人は何もできない。私たちは皆”幸福の鍛冶屋”です。信念のある人、精神的に強い人は、運命の曲がり角でも、自分の生き方に一定の影響を与え得ると信じています」といっておられた。

人の幸不幸は、最後は運命が決めるのではない。自分が決めるのだ。

運命に負けない自分になればよいのだ。

運命を好転させる強い自分になればよいのだーこれが、氏の答えだったのです。