夜の8時。電話が鳴る。

親しかった近所のおばあさんが亡くなられた報だった。

先日、退院した彼女に会ったばかりなので、にわかに信じがたかった。

白血病だったそうだ。家族だけが承知していたと。

知らなかった。

彼女は知っていたのだろうか。

ときどき、彼女の家でお茶を飲みながら、いろいろ話したものだ。

最後に云いたいことがある、と言っていたが、その話は聞かないまま、逝った。

ヤンチャな、豪快な笑い方をするおばあちゃんだった。

周囲の人も手こずることがあった。

そんなことも懐かしい。