【２０２０年８月１６日】Ｎｏ３９２
大館市で快適で省エネな住宅の
設計と施工をやっている
直洋建設の砂川です。
今日も
ｂｌｏｇを見に来てくれて
出窓
この言葉にことさら強い願望を
抱く方も少なくないのでは？
１０年以上前はよくある要望の一つとして
出窓の存在がありました。
でも最近はなくなりました。
何故なんでしょう？
その前に出窓にも種類が色々あるんですね。
私が扱ったことがあるのは
台形出窓
弓型出窓
三角出窓の３種類
寒冷地の秋田では
樹脂サッシが主流で
樹脂サッシのカタログには
上記３種類のラインナップしか
ありませんでした。
もっと温暖な地域だと
今や秋田では新築には絶対使わない
アルミサッシとか
普通に使ってる事でしょうから
もっと色んな種類の出窓を扱う
住宅会社さんも多いと思います。
これからするお話
これは寒冷地だけ
かもしれません。
そこは一点押さえておいてください。
新築住宅において出窓を使う機会は
すっかり少なくなりました。
なぜ？
答え・・・
樹脂サッシのカタログから
出窓が消えたからです・・・
ですので
新築では使わなくなったというより
もっと正確に言うと
使いたくても
出窓という商品がない
ということ。
変だと思いませんか？
出窓は特に女性から人気です。
家づくりにおいて女性目線でＮＧな商品は
絶対に日の出を見ない
・・・と言われている
そんな事くらい
サッシメーカーは知っている筈です。
しかも出窓はとってもお高い商品
女性から人気で
売価が高い商品を
ラインナップから外すには
どうやら深い深い訳がありそうです。
ズバリその訳とは・・・
出窓の最大の欠点
結露です。
出窓は出っ張ってる分
局部的に冷やされるのです。
冬の話ですが・・・
人間の体でも指先や鼻、耳とか
出っ張ってる部分は
すぐに冷たくなってしまいます。
これと同じこと。
しかも出窓部分は空気が停滞しやすく
なおさら結露面では不利な環境。
窓辺に鉢植えを置くというのは
ありがちな定番行為ですが
結露という観点からすれば
水蒸気発生源が直近にあるというのも
控えたい事・・・
でもせっかく窓辺をおしゃれに演出したくて
出窓をチョイスしている人にとって
花や鉢植えを置かないでください！！
というのも酷な話
例えば、リビングに何か所か窓があって
その中に出窓もあった場合
他の窓は結露していないけど
出窓だけ結露している
ということが大いに起こり得ます。
でもこういう現象って
サッシメーカーのクレーム
になるんですよね。
あと住宅会社の営業マンが
悪い場合もあります。
どういうことかというと・・・
お客さんに好かれたいあまり
良い事ばっかり言う住宅営業も居ます
うちで使ってるサッシもガラスも
高性能なので
結露しません！！
ってね・・・
そう言い切ってる以上
結露したらクレームになる訳です。
消費者であるお客様に
詳しくて正しい知識が無い事は
仕方のない事ですが
プロである筈の住宅営業が
結露しません！！
なんて間違ったこと言うから
問題が起きる訳で
サッシメーカーも
相当振り回された事でしょう💦
色んな形状のサッシもあるのですが
どんな種類であっても
結露しにくいサッシはあっても
結露しないサッシなんてありません。
サッシとはそういうものなのですが
その中でも
一番結露しやすい
厄介者が出窓だった
ということなんです。
だったらいっそのこと
カタログから無くしてしまえ
というのが正直なところだったわけです。
通常の窓なら
ガラス面正面だけが冷やされるだけなのですが
出窓の場合 出っ張ってるので
１：正面
２：右側面
３：左側面
４：上面
５：下面
出窓を直方体で見た場合
６面あるうち５面が外気に晒されて
常時冷やされてる訳ですから
結露的には
圧倒的に不利
ということはわかりますね。
一応、断っておきますが
これは寒冷地であれば・・・
のお話だと思ってください。
多分、東北の南部より南では
そこまでシビアではないと思います。たぶん・・・
寒冷地でどうしても出窓にしたい場合
造作出窓と言って
右面、左面、上面、下面に
しっかりと断熱施工できる方法を選ぶと良いでしょう。
出っ張ってる分
若干空気が停滞することは物理的に避けられませんが
冷やされて温度が下がる面が
ガラス面正面だけに限定されるので
そういう意味では出窓じゃないサッシと条件は近いものがあります。
すなわち
問題が出にくい
といえる訳です。
今日はここまで
また明日（＾＾）
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