先週のことになりますが、
保健所にグリーフの相談窓口があるかもしれないと教えてもらって、区の「心の相談室」に問い合わせてみると、面談できるとのことだったので、予約をして行ってきました。
話しを聞いてくれたのは70歳くらいの堅い感じの男性でした。
おおまなか状況は、電話で係の人に伝えていたのですが、あらためてその人に、今の私の気持ちを話しました。
その人は、夫が入院してからどんな経緯を辿ったのか、医師から何と言われたのかについて、念入りに聞いてきました。
「夫は入院3日目に急変しました。医師に説明を求めると、誤嚥性肺炎になったと言われました。
そこからは、夫の状態がどんどんどんどん悪くなっていきました。
この病院では夫がダメになってしまうと思えたので、転院させたくて、ケアマネさんや訪問看護師さん、訪問診療の先生にも電話して、助けて下さいと訴えてみたけど、結局、どうにもなりませんでした。」
病院に対して、何か言いたいことはありますか?
意外な質問でした。
はい。病院の対応には納得できなかったです。
入院2日目までは元気だったのに、3日目に急変してしまって、それについての納得行く説明もなく、、、それからの看護師さんたちの夫への対応も、放置されてる感じがして、不安でたまりませんでした。
最期までその病院にいたのですね?
いえ。全身管だらけになりましたが、自宅に戻りました。退院して2週間後に自宅で息を引き取りました。
何で退院させたのですか?
この質問は、胸に突き刺ささりました
本人が退院したいと言っていたのと、私も帰ってきて欲しかったので、病院には何度もお願いしていました。
病院を訴えたいとかそうゆう思いはありますか?
今となっては無いです。訴えても夫は帰って来ないので。
最終的には病院にはよくしてもらったと思っています。血圧が下がって危ない状態になってから3週間泊まり込みで付き添いをさせてもらえました。その間に容態が安定してきたので、退院に向かえることになって、付き添い中に、退院後の在宅でのケアについて、看護師さんに教えてもらったので、感謝しています。」
病名のことや、どんな治療をしてきたとか、、、問われたことに答えました。
その人は、自分は精神科医だと言いました。
そして、思いも寄らないことを言いました。
あなたのご主人は、3日後に急変した段階で、もう助からない状況だった。致命的な症状です。
病院側も、まさかそんな事になるとは思っていなかったと思いますよ。だから病院側も慌てたと思います。
転院は希望しても、その状態のご主人を受け入れてくれる病院はなかったと思いますよ。その病院にそのままいてよかったと思います。」
え、そうゆうことだったの
その言葉は、あまりにも衝撃でした。
だけども不思議なことに
ものすごく、納得がいきました。
私の中で、病院側や訪問診療医や訪問看護師さんの言動に腑に落ちないことが多々あって、、、、、その合点がいったのです。腑に落ちたのです。
周りの人たちは、みんなわかってたんだ。
入院して3日目に急変した段階で、病院医師も、病院看護師さんも、夫の命がもう僅かだってことを。
私だけ、わかっていなかった。
いや、、、そんなことはない。わかろうとしなかったのだ。
医師には何度か、厳しい状況だと言われた記憶がある。
でも私は、信じたくなかった。
信じなかった。
そんなことない
絶対によくなるはずと思いたかったんだ。
その医師は私に言った
もしあなたに診断名をつけるとしたら、「喪失」による症状です。
泣いたり眠れなかったり悲しんだり。それはごく自然の反応です。大切なご主人が亡くなって、まだ日も経ってないのに、もしあなたが元気だったらそのほうが不自然でしょう?
あなたが今つらいのは、それだけご主人を大切に思ってたということですよ。
入院中のことも、退院して自宅で看取ったことも、あなたは本当によくやったと思いますよ。」
その先生は、むやみに言葉を連ねることはしない。
しっかり言葉を選んで言ってくれる。
一言一言をゆっくりと
そしてはっきりと
私の顔を見て言ってくれた。
多分、その通りだったのだと。
今はそう思えます。
私には、とてもとても肝心要な会話だったなぁと。時間が経つごとに感じています。
ショックでもあるけど
それよりも、もやもやしていたことの落とし所が決まったような気もしてて
まだ、日に何度も、その人の言葉を
思い出しています。
相談に行った翌日に、その先生の心療内科へ行きました。
しばらくお世話になろうと思います。