老犬 「ちょこぼ」 頑張る。。 癌との闘病日記。 -4ページ目

まさかの入院 《2010.10.24》

ちょこぼの食欲が回復しないので、念のため病院に連れて行くことにしました。

父の告別式の翌日、ようやく家の中が落ち着きを取り戻し始めた10月24日のことでした。

病院でも、「一応検査をしておきましょう」程度のノリで、血液検査とレントゲン検査を受けました。しかし、検査結果を聞きに診察室に入ると、先生が難しい顔で「かなり良くないです・・」と。

まず、レントゲンには肺に白い陰が出ており、ガンの転移の可能性が高いとのことです。

そして、それよりも大変なのは血液検査の腎機能の数値でした。

尿素窒素(BUN)とクレアチニンの数値が正常値の何倍にもなっており、ちょこぼの腎臓がほとんど機能していないことを示しているそうです。普通であれば、気持ちが悪くて吐いたり下痢をしたり明らかな症状が出ているはずの数値とのことでしたが、ちょこぼはきっとじっと耐えていたのでしょう。

ちょこぼは強い子でした。

いずれにしても、一度壊れてしまった腎臓の機能は二度と回復しないので、これからは自宅で点滴をして一生を過ごすことになるとのことでした。

今はガンよりも腎臓を何とかしなければ、とのことで、ひとまずは今からだの中にたまっている毒素を排出するために、24時間の点滴を行うことになりました。緊急事態。ちょこぼまさかの入院です。

軽い気持ちで病院に行ったのに、人も犬もショックでした。病院にちょこぼを置いていく時のあの気持ち、忘れられません。

淋しい思いをさせてしまったかな、ちょこぼ。でもあの時はそうするしかなかったんだよ。許してね、ちょこぼ。

・診察台の上。不安げなちょこぼ。
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変化 《10月中旬~》

それまでも毎日寝てばかりのちょこぼでしたが、「お帰り!!」の吠え声は誰よりも大きく、気付くと誰よりも早く食事を平らげていたり、いつの間にか足元に寄り添っていたり・・・・、しっかり過ぎるほど自己主張し、まだまだ生きる力がみなぎっている様に思っていました。


9月の下旬、体調を崩していた父が突然入院し、10月18日に他界してしまうという、もうひとつの悲しい出来ごとがありました。父の入院前後は、家の中の雰囲気も何となくいつもとは違い、家族全員が家を空ける時間も長く、ちょこぼたちにとってもストレスが高い状況だったかもしれません。


だからちょこぼの食が細くなっているのもきっとそのせいだろうと、余り気にしていませんでした。父がなくなる少し前頃から、ちょこぼの食欲が落ちていることを感じていました。ちょこぼが大好きな野菜だけ食べてあとはほとんど口をつけなかったり・・・・。おかしいなとは思いましたがあまり気にしていませんでした。


一方、そのもう少し前から、ちょこぼが水を飲む量がとても増えていました。一度にたくさんの水を飲んではよたよたとトイレに。そしてまたしばらくすると水を飲む・・・。こんなことを繰り返していました。でも、年をとるとトイレが近くなるのかなって、その程度に思っていました。


今思えば、これがちょこぼの身体に現れた大きな変化だったようです。


あとでお医者様に教えていただきましたが、腎臓の機能が悪化して、十分に毒素が排出できなくなると、身体にたまった毒から、吐き気などをもよおして食欲が落ちてしまうそうです。そして、何とか毒素を出そうとして、たくさん水を飲んで排尿をする・・、多飲多尿というそうです。腎臓の機能が悪化してくると、普通なら黄色っぽい色の尿も、不純物が排出されないことで透明になるそうです。


ぴったりちょこぼに当てはまります。その頃のちょこぼのおしっこは無色透明に近く、ペットシートにはほとんど色が付いていませんでした。


あの頃ちょこぼは辛かったのかな。がまんしていたのかな。ずいぶん病気が進んでいたのかな。平気な顔をしてるんで、気付かなかったよ。

ごめんね、ちょこぼ。

一日中うとうと。
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おめざめ。
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16歳と8ヶ月と少し

2010年11月5日。日付が変わって少しした、真夜中の2時頃。

ちょこぼは大好きなソファの上で、一番面倒を見てもらった大好きなmamaさんに見守られながら、静かに息を引き取りました。

16歳と8ヶ月と少しの生涯でした。

去年の秋口に、タチの悪い癌が見つかりましたが、運の強いちょこぼは何とか乗り越えて来ました。

でも、やはり老いには克つことができず、最期は腎不全から尿毒症に陥り、ぱたぱたと逝ってしまいました。

10月の中旬頃から食欲が落ちて、念のためお医者様に連れて行ったつもりが、そのまま一週間の入院。一度退院して家に戻ってきてから、ちょこぼはしっかりみんなとお別れをして、5日後に旅立っていきました。

頑張ったね、ちょこぼ。えらかったね、ちょこぼ。

ありがとう、ありがとう、ちょこぼ。

あれから約20日。私たちを見上げるちょこぼの写真を見ると、まだ自然に涙が出てきます。いつもちょこぼが居たリビングのテーブルの下。そこからちょこぼがいつものようにじっとこっちを見ているような気がします。家に帰ってきたとき、他の3匹の声に混じって、ウォゥ、ウォゥというちょこぼの太い声が聞こえてくるような気がします。

ちょこぼが居なくなった今、犬がかけがえのないパートナーであることを改めて思いました。

ちょこぼへの感謝の気持ちも込めて、ちょこぼに起こったこと、そして、ちょこぼと一緒に過ごすことができた最期の時間のことを、これから少しずつ書いていこうと思います。


入院前。まだ元気があった頃の最後の写真。
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ありがとう。ちょこぼ。
老犬 「ちょこぼ」 頑張る。。 癌との闘病日記。