そこらへんの草でも食ってます~映画『翔んで埼玉』のこと | チョッキーQ.の『ハロプロ物語 feat. 工藤 遥』

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モーニング娘。を中心としたハロプロに関して自分が思ったことを、日記ではなくエッセイ風のまとまった文章でUPしています。
(鞘師里保と工藤遥の”卒業”など)


去年まではあまり映画館で映画を観る習慣がなかった。
基本面倒くさいと思ってたし、どうせその内テレビでもやるだろうし、話題作でもせいぜいでDVDになってからTSUTAYAで借りて観たりしていた。
それが去年『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』を舞台挨拶付きも含めて2回も観にいってからなんとなく劇場に足を運ぶのがそれほど面倒ではなくなった。
ハロメンのラジオやブログでも映画の話題が出てくると思わず観たくなるが、私の場合実際に観るきっかけになるのはやはり工藤遥が薦めている場合。それで去年は『カメラを止めるな!』を観に行った。
そして最近では工藤遥を初めモーニング娘。'19の横山玲奈、アンジュルムの竹内朱莉、Juice=Juiceの金澤朋子など埼玉県出身のハロメンが揃って絶賛していた映画が『翔んで埼玉』だが、先日ようやくと言うかやっと観に行った。晴れ

 

 

やはり私も埼玉県民であり、しかも魔夜峰央の作品は『パタリロ!』を始め単行本になったものはたいがい読んでいるので、『翔んで埼玉』もかなり前に読んでいた。
しかしあの作品はかなり中途半端なところ、映画で言うと”埼玉デューク”が出てきたあたりで中絶していて、その後作者が引っ越して埼玉県民ではなくなったので、今さら続きを描くと埼玉県へのただの悪口になってしまうので永久に完結できないというある意味”幻の作品”だった。
だからこれが映画化されると聞いてその辺をどうやって結末をつけるつもりかが気になっていた。
会場はやはり埼玉県がいいだろうということで、以前ハロプロ関係のライブビューイングも行われたららぽーと富士見のTOHOシネマズへ。

 

よくもまああの原作を映像化したもんだと思った。原作に忠実というよりも魔夜峰央がやりそうなギャグを映像向きに組み立て直したという感じで、スタッフはよく原作を理解しているという印象を受けた。
オープニングには魔夜峰央本人も出てきたと思ったら、観た時には気付かなかったが魔夜峰央の家族まで出演していたそうだ。魔夜峰央は一見タモリっぽく見えるので分かりやすいが、まさかその横で踊っていたのが奥さんと娘だとは思わなかった。^^;
そう言えば先週の「爆夜~BAKUNAI」でかなともがこの映画を観ていないがんばく氏に「埼玉のいろんなとこでロケしてんの?」と聞かれて答えに困っていたが、はっきり言って実際の埼玉はあまり出てこない。あくまでギャグ漫画的にデフォルメされた架空の埼玉であり、本当の埼玉はあれほど秘境的な場所ではないし群馬県の空にもプテラノドンは飛んでいない。(少なくとも私が伊香保温泉に旅行した時には見かけなかった。^^;)

 

この映画がかなり評判になっているらしいというのは以前から感じていた。なぜなら先日沖縄に旅行した時に銘菓「紅いもタルト」で有名な御菓子御殿の中でこんなポスターを見かけたからだ。

 

 

埼玉をディスった映画なのに沖縄関係なくね?だいたいいくら沖縄でも紅いもタルトがそこらへんに落ちているわけないし?と疑問に思ったが、どうやら主演のGACKTと二階堂ふみがどちらも沖縄出身だからということらしい。
この2人の主役の演技もすばらしかったが、脇を固める俳優陣も蒼々たるメンバーでみんなノリノリで演技しているのが伝わってきた。
さらにエンディングテーマがはなわが以前にアルバムに収録していた「埼玉県のうた」をこの映画用にリメイクしたもので、映画の公開と前後してシングルで発売になった。
この歌詞には埼玉県民としては納得しかねる部分もあるが、「快晴日数が日本一」なんてこの歌で初めて知った。それから「貧乳率が日本一」なんてのも…こらこら!ああ、だから工藤遥は”トリプルA”などと納得してる奴は誰だ?ムキー
言っておくが、工藤遥を”貧乳”と呼ぶのは適切ではない。彼女は幼い頃から水泳を習っていたので、水の抵抗を少なくするために余計な突起物をなくした流線型のスリムな体型になったのだ。だからあれはあれでバランスのいい美しいスタイルであり、それはDマガVol.97のウェットスーツ姿を見れば…(※以下、この調子で際限なく続きそうなので、この辺で自粛します汗
モーニング娘。の”トリプルA”の3人はみんなそうで、尾形春水もフィギュアスケートをやっていたので胸が大きいと体のバランスが悪くなり回転やスピンで不利になるためにああいう体型になったんだし、飯窪春菜だってやっぱりファッションやアニメが大好きなのでそのために、えーとつまりその…あれ?おかしいな。話が繋がらないぞ??f^_^;爆弾

 

なんか自爆したようなのでとにかく映画の話に戻るが、埼玉発祥の山田うどんやしまむらなどの店が随所に出てきて、特に埼玉県の”ソウルフード”(?)とも言うべき山田うどんは目立つ所で使われていたが、私としては出来れば”ぎょうざの満州”も目立たせて欲しかった。^^;
それからやはり例の”埼玉ポーズ”も随所に見られた。「…なにそれ?」って言う人のために説明すると、両手をOKサインの形にして胸の前でクロスさせたもので、これは埼玉県の県鳥であるシラコバトの羽と埼玉の”玉”を表現したものだそうだ。
言葉だと分かりにくいので、かつてのモーニング娘。の”さいたまーズ”の2人にやってもらおう。

 

 

ハイ、お2人ともありがとさんでしたぁ!ラブラブ

 

とにかくこんなバカバカしい内容を出演者もスタッフも思いっきり真剣にやってくれたのがこの映画の最大の見所で、ラスト近くの東京都庁を取り囲んだ大群衆のシーンはルパパト映画と同時上映していた『仮面ライダービルド Be The One』の北九州でロケした大群衆のシーンに勝るとも劣らぬ迫力だった。
ちなみにこのシーンは、実際に都庁の周りを警察が交通規制して、そこに1000人ものエキストラを集めて撮影された奇跡のシーンであり、これだけでもいかにスタッフが本気だったかが分かる。カチンコ

 

とまあ全体的に見て非常に満足度の高い面白い映画だったが、実は一つだけ気になったことがある。
それは前半のシーンに出てきたSAT(サイタマ・アタック・チーム)という特殊警察のような隊員のコスチュームをデザイン担当の柘植伊佐夫氏が「もっとも頭を悩ませた」そうだが、そのスピードスケートのような衣装が同じ魔夜峰央作品の『妖怪始末人トラウマ!!』に出てくるGP(ギルドポリス)によく似ているのだ。びっくり
私は一目見てこれは「トラウマ」のGPをお手本にしたなと思ったのだが、パンフレットの柘植伊佐夫のコメントには監督から「サイボーグ009のような制服を」と言われたそうだが「トラウマ」のGPのことは一言も書かれていない。(ちなみにサイボーグ009にはまったく似ていない。。^^;)
もしもお手本にしたのなら魔夜峰央自身もこの映画には全面的に協力しているのだから「魔夜先生の『妖怪始末人トラウマ!!』のギルドポリスを参考にさせていただきました」と言えば何の問題もないと思うのだが、ひょっとして考えている内に偶然似たようなデザインになったということなのだろうか?
両者を見比べてみても「たまたま似てしまった」というようなレベルではないと思うのだがいかがだろうか?

 

『妖怪始末人トラウマ!!』第5巻より                      映画『翔んで埼玉』のSAT

 

しかし柘植伊佐夫氏は元々魔夜作品の熱心な愛読者であり『妖怪始末人トラウマ!!』も読んでいるだろうから、おそらく潜在意識の中にあったギルドポリスの姿が無意識に浮かんできたということかもしれない。だいたい魔夜峰央が描く秘密警察のようなキャラは、みんななぜかグラサンをかけてスピードスケート選手のような恰好をしているから。。
もちろんこんなのはどんな事情だとしてもささいなことで、この映画の評判に傷を付けるものではないが。

 

最後に一人の埼玉県人としての私の意見を述べさせてもらおう。
この映画は埼玉をおちょくるネタで成り立っているが、私は映画でも原作でもまったく怒る気にはならなかった。(冷静に見て「そこはちょっと違う」と思うところはあったが)それはおそらくほとんどの埼玉県人も同じ気持ちだと思う。だから工藤遥や金澤朋子といったハロメンの埼玉県人もこの映画を観て大笑いしているのだ。
これは考えてみれば不思議なことだと思う。他の県、特に観光地や特産品などを大々的にアピールしている県では、バカにされると本気で怒る人が多いようだから。
多くの埼玉県人はこういういじられ方をむしろ”おいしい”と思うのだ。なぜなら埼玉県人には余裕があるからだ。得意げ
なるほど海は無いけれど、海に行きたかったら湘南新宿ライン1本で湘南海岸に行ける。東京には海はあるが東京湾に海水浴に行く人はあまりいないだろう。泳ぐとなったらやはり湘南や江ノ島に出掛けるのが普通だ。^^;
観光地や名産品はあまりないが大型のショッピングモールはそこら中にあるので、遊ぶ所には困らない。特にさいたまスーパーアリーナの周りのさいたま新都心などは街全体が大きなショッピングモールのようなものだ。

 

経済企画庁の調べで”住みにくい県”の第1位が6年連続で埼玉県だったのは事実かもしれないが、それはおそらく実際に住んだことがない人の意見だろう。事実ここ数年埼玉県の人口は増加している。つまり実際に住んでみたらいい所だったと気付く人が増えているのだろう。(増えるのはいいけど、これ以上電車が混むのは勘弁して欲しい。。あせる

 

私は実はネイティブな埼玉県人ではない。人生の半分以上を埼玉県で暮らしているが生まれは富山県である。
でも田舎の暮らしというのがどういうものだか知っているからこそ、むしろネイティブな埼玉県人よりも埼玉県がいかに住みやすい所かが分かるのだと思う。
テレビは東京とまったく同じものが見られるし、まず生活必需品の入手に苦労することはない。なんとなればすぐに東京に出られるので大きな買い物にも不自由しない。
ただ難を言えば、東京に出るのは簡単だが同じ埼玉県内で移動しようと思うと、かえって交通の便が悪いのだ。
去年のハロフェスがくまがやドームで行われたが、私の家から熊谷に行くにはどうしても3回は乗り換えなければならないし、時間も相当にかかる。(やっぱり熊谷は”ほぼ群馬”か?^^;)これがパシフィコ横浜なら東京を通って神奈川県のみなとみらい駅まで行くのにまったく乗り換え無しの1本で行けるのだが。。うずまき

このように多少の不満はあっても埼玉県は、殊更に観光地や名物を前面に押し出してアピールしなくても充分に暮らしやすいいい県だということを埼玉県人はよく分かっているので、この映画のようないじり方を余裕を持って受け止めることができるのだ。キラキラ
だからこの『翔んで埼玉』という映画も原作も”埼玉県”だからこそ成立した作品だと言えるだろう。
まあしかしこれは私のように池袋まで30分で出られるような地域に住んでいる人の意見だということも断っておく必要があるだろうが。

 

そして私が思う埼玉県の一番の自慢は…まったくの個人的な意見なのだが…やはり”工藤遥がいる”ということだ。(結局はそこかよっ!むかっ

 

 

 

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