ルパパト第49話と「超英雄祭2019」 | チョッキーQ.の『ハロプロ物語 feat. 工藤 遥』

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モーニング娘。を中心としたハロプロに関して自分が思ったことを、日記ではなくエッセイ風のまとまった文章でUPしています。
(鞘師里保と工藤遥の”卒業”など)


またね
その言葉を大スクリーンに残して、工藤遥は日本武道館を後にし、モーニング娘。'17を卒業した。
それから1年1ヶ月とちょっと。彼女は再び帰って来た。日本武道館のステージに。

 

 

というわけで、1/23日本武道館の「超英雄祭2019」を観てきた。
ハロプロ関係のライブ以外でこの武道館を訪れるのは実に久々だった。そう言えば大学の卒業式がここだったなと思い出した。その後はある番組のイベントで1度だけ。
今回は特撮番組のイベントということでいつもと勝手が違うだろうなと思っていたら、そこにあったのは会場前に設けられたグッズ売場に並ぶ長蛇の人々など見慣れた光景だった。
やはりジャンルは違っても”ヲタク”の行動は共通らしい。会場内でも様々な色のペンライトで客席が埋め尽くされていて、そもそもアイドルグループのメンバーカラーというのは、戦隊物が元祖なのでは?という私の説を裏付けるような光景だった。

 

客層はやはりアイドルと同じように若い人が中心だが、親子連れも多少見かけたし年輩者もいるしで、その幅広い年齢層に半世紀近くにも及ぶ特撮物の歴史を感じさせたが、それらの多彩な人々が1つになって盛り上がるパワーはすさまじかった。
だから私も負けじとルパパトメンバーの先頭で工藤遥が登場した時は大声で「おかえりーー!」と叫ぶことが出来た。
トークショーの後でミュージックライブという構成だったが、ルパパトのトークショーの終わりに最近出た『VSキャラクターソングアルバム』の話になり、せっかくだから各戦隊の代表者1人ずつ歌おうということになり、ルパンレンジャーからは工藤遥が、パトレンジャーからは結木滉星が選ばれた。

 

やった!これが目当てだったのだと思わずガッツポーズ!!こうして卒業以来1年と1ヶ月ぶりに武道館のステージで歌う工藤遥の姿が見られることになった。クラッカー
私としてはパトレン側は奥山かずさの「じゃがとんのうた」が聞きたかったが、会場を盛り上げることを考えると結木滉星の「Keepin'Faith」は妥当だったと思う。
工藤遥の歌はもちろんライブで盛り上がりそうな「Dear My Friends」で、後半のミュージックライブで歌われるレジェンドソングとは違い観客は聞いたことがない人が多かったと思うが、そこはさすがに元モーニング娘。の経験を生かして「みなさん、クラップお願いします!」などと観客を煽るやり方も手慣れたものだった。
あの頃と同じような光景だが、違っていたのはペンライトの色がオレンジではなくイエローだったことだ。そしてソロで歌う彼女の周りに集うメンバーがモーニング娘。ではなくルパパトだったこと。トランプハート

 

このイベントは5/8にブルーレイで発売されるそうだ。工藤遥の出番は少ないのでそれだけを目当てに買うには\9,504はちょっと高いかもしれないが、彼女が武道館でソロで歌う姿が見られるのと、何よりも戦隊物や平成仮面ライダーが好きな人にとってはレジェンドソング満載のこのイベントは堪らないだろう。

 

さあそしてルパパト第49話だ。
冒頭でジュレのがら~んとして何もない店内に何人もの捜査員が活動しているシーンを見て何とも切なくなった。
ここで3人がわちゃわちゃ騒いだり、魁利がお客さんと無駄話をしたり、国際警察と交流したり、コグレとの打ち合わせや深刻な話などもした、本当にいろんなことがあった場所だった。もうあのシーンは2度と見られないのだ。泣(片目)
ジュレの3人は快盗として指名手配されていた。それを伝えるニュース画面には「宵町 透真(24)容疑者 夜野 魁利(20)容疑者 他 未成年の少女1名」と出ていて…あれれ?魁利っていつの間に成人していたの?第8話の国際警察のデータでは19歳だったのだが。^^;
現実には工藤遥と伊藤あさひは同い年で誕生日の関係で最年少は伊藤あさひだったのだが、ドラマ中では魁利の方が1つ年上という設定なことに今さら気付いた。

 

 

ところで突然だが、”ドラマ”とはどこから生まれるかご存じだろうか?
私が思うに、それは”隠し事”から生まれる。
いい例が”ミステリー”だ。殺人犯人が自分が犯人であることを隠しているからこそミステリーというドラマが生まれる。
世の中に何も隠し事をせずに100%開けっ広げで生きている人なんかいるわけがないし、そんなことをしたら世の中はかえって大混乱になってしまうだろう。
このルパパトというドラマでは最大の隠し事であった”快盗の正体”が前回で明らかにされた。すると今回はそれに付随する事柄がいろいろと明らかになっていった。
隠し事が明らかになるとみな本音でぶつかり合うようになる。そしてこの本音のぶつかり合いがまた新たなドラマを生み出す。
ノエルは国際警察に快盗の正体を隠していたが、国際警察もまたノエルに対して”大量失踪事件の被害者がギャングラーの化けの皮にされていたこと”を隠していた。
咲也はいきなりノエルの胸ぐらを掴んで激しく責め立てる。初美花たちが快盗だと知りながら、なぜ自分たちが仲良くなるようにし向けたのかと。それに対してノエルは言う。「本当に仲良くなれたら素敵だと思ったんだ」
それは間違いなくノエルの本音であり、咲也はそれ以上責めることは出来なかった。なぜなら彼も本当は心からそれを望んでいたからだ。咲也は誰よりも初美花と仲良くなりたかったのだから。

 

この本音のぶつかり合いはギャングラーにまで及ぶ。ボスのドグラニオに向かって「オレのおもちゃ、取らないで欲しいな」と生意気な口を利くザミーゴに対して「”組織にこだわるのはバカのすること”なんだろう?だったら若い奴らのことなんか知ったこっちゃねぇ!」とこれも本音で返すドグラニオ。
この2人の関係も不思議だ。普通のボスとその手下とは明らかに違っている。かといって敵対しているようにも見えない。
私はあるいはザミーゴはドグラニオを裏切ってその寝首を掻き、ラスボスはドグラニオではなくザミーゴになるのではとも思ったが、今のところそういう気配はないようだ。

 

そして”本音のぶつかり合い”と言えば今回は何と言っても魁利と圭一郎だ。ルパンレンジャーパトレンジャー
今回追う立場と追われる立場になって2回遭遇を果たしたこの2人だが、”快盗”という隠し事が無くなった今、初めて本音をぶつけ合う。
ルパンレッドが時折見せる圭一郎への信頼(「おまわりさん、そういう卑怯なことしないでしょ」など)は、その正体が魁利なら理解できると言う圭一郎。
しかし圭一郎に対して兄に共通する面影を見ている魁利は、圭一郎が自分を理解して労ろうとするまるで本当に兄の勝利のような態度が気に入らない。「オレはずっとあんたを騙してたんだぞ!…怒れよ。ルパンレッドと戦う時みたいに怒れよ!!むかっ」と激しく圭一郎に食ってかかる魁利。
しかし圭一郎が怒るのは、魁利たちの苦しみを間近にいながら気付けなかった自分自身に対してだった。これは決して警察官としての建前なんかではなく、紛れもない彼の本音だった。
まるで警察官の鑑のような堅物に見える圭一郎だが、彼は警察官だから人々を助けるのではない。苦しむ人々を助けるために警察官になったのだ。
だから2回目の遭遇の時、強敵ザミーゴと一人で戦おうとする魁利に共闘を申し出る。
「”どんな理由があろうと快盗という手段を選んだ時点で間違ってる”は?」と揚げ足を取るように言う魁利に「もし警察という立場ゆえに目の前の君を救えないのなら、オレは警察を辞める」と衝撃の発言までする圭一郎。
このセリフは名言が多かった今回の中でも一番胸に刺さった。あの警察という仕事に誰よりも誇りを持っていた圭一郎がそこまでの覚悟を抱くとは。。おぉ!

 

しかし街に突然巨大ポーダマンの群れが現れると魁利は圭一郎の背中を押し、こんな快盗よりも多くの人たちを助けなよと言う。「オレが圭ちゃんになれないみたいに、圭ちゃんはオレみたいにはなれない」
それは魁利の最大の課題であった常に正しい道を行く兄へのコンプレックスから脱出した瞬間だったのかもしれない。
その後の「ありがチュー!熱血おまわりさん」という言葉は軽い調子だが決して揶揄しているのではなく、長年の迷いが吹っ切れた魁利のこれも本音だったのだろう。
だから結果として別々に戦うことになっても、魁利と圭一郎は強い絆で結ばれていると信じることができる。H

 

 

一方、ドグラニオとの戦いで重傷を負って病院のベッドで眠る初美花と透真だが、咲也は初美花の寝顔を見て「怖かっただろうね。2年前までふつーーの女の子だったのに…」とつぶやく。
おそらく初美花が快盗になって2年の間に、ここまで彼女の心情を深く思い遣る人が現れたのは初めてだろう。
咲也は初美花が快盗だったと知っても、ずっと騙されていたのだと知っても、なおも初美花への想いが消えることはなかったのだ。いや、むしろ親友を助けたい一心で普通の女の子だった初美花が危険なギャングラーと戦い続けたその健気な心中を慮って、敬慕の念を新たにしたのかもしれない。ハート
人を好きになるっていうのは、そういうことなんだよね。元々可愛い女の子を見ると片っ端から声を掛けまくっていたようなチャラい咲也だが、初美花に逢って初めて本当に”人を好きになる”ことを知ったのだろう。
こうしてそれぞれの本音の人間ドラマが交錯し合った今回は、前回ほどの派手さはないがやはり重要で深く心に残る話だった。

 

それにしてもこの番組の脚本のうまさと言うか、過去に出てきた印象的なセリフや場面を伏線のように活かしている。
ここまでの文中にも圭一郎の「どんな理由があろうと快盗という手段を選んだ時点で間違ってる」とかザミーゴの「組織にこだわるのはバカのすること」が出てきたし、また指名手配された魁利が圭一郎の前に現れるシーンでは、第1話で2人が初めて出会ったのと同じ場所で魁利に「お兄さん、それ外すよ」と同じようなセリフを言わせたのも心憎い演出だ。
また第43話でトカゲイルの写真を見た透真が「どこかで見たことがあるような気がした」と言った、おそらくほとんどの視聴者が忘れているような伏線もきちんと回収したのは芸が細かいところだ。
それから2度目に圭一郎と魁利が出会ったシーンでは夜だったはずがいつの間にか昼間になっていると思ったら、会話の最中に白々と夜が明けていたのだ。重要な会話だったので最初は見逃していたが、2人の気持ちが近付いたシーンで太陽の光が差してくるのはなかなか見事な演出だ。晴れ

 

さていよいよドグラニオ及びザミーゴとの最終決戦が始まったようだが、今回はまだ序の口で来週が戦闘の本番のようだが、「#50 永遠にアデュー」というタイトルからすると、ひょっとして次回で決着が着いてしまったりするのだろうか?叫び
最終回を残して戦闘が終わったらこういうヒーロー物としては画期的なことになるが、ルパパトならありそうな気もする。
なぜならギャングラーを倒した後の快盗と警察の関係がどうなるのかが非常に興味深いところだから。
たいがいのヒーロー物は悪の組織を倒したら”世界は平和になりました。めでたしめでたし。”で終わってもいいのだが、このルパパトはスーパー戦隊史上初めて2つの戦隊が対立する設定にしたために人間関係のドラマが非常に興味深く描かれていて、まったく子供向けの特撮なのになんちゅう人間ドラマを作ったことかと思ってしまう。虹

 

ではまた来週まで。アデュー!キラキラ

 

 

 

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