「人は、幸せになる責任がある」


「他人の欲求充足の邪魔をしないで、他人の欲求充足のお手伝いをしながら、自分の欲求充足をする」


「他人のハンドルを握らない」

 

 

1)
・杏橋:
 鈴木ときよさん、このたびは、「選択理論名古屋支部研究会」にご参加の増田典透さんからご紹介いただきました。確か、鈴木さんとは、一度東京での学習会でロールプレイを一緒にさせていただきましたね。その折に、大変感銘を受けましたのは、クライエント役だった私の話を、徹底的にお聴きになり、上質世界の深堀りをされたことでした。

 


 確か、2017年に選択理論心理士になられたとお聞きしていますが、そもそもは、どんなきっけで選択理論を学ばれたんですか。


・鈴木
 杏さん、お久しぶりです。学習会の折には、楽しいロールプレイの時間をいただきありがとうございました。
 私、徹底的に上質世界を深堀していたんですね(笑)。未熟さを感じお恥ずかしい限りですみません。

 

・杏橋
 いや、そんな。すごく、勉強になったんですよ。

 

・鈴木
 私が選択理論に出会ったのは、2008年の夏でした。ちょっと変わった出会い方なんですが、夏休みのある日、子育てに悩んでコヴィ氏の“7つの習慣”に書かれていた子育て方法を取り入れたい!と思い検索したところ、画面の下の方に『身に付けたい7つの習慣』という言葉が目に入り、そこで選択理論心理学と出会いました。

 


 『身に付けたい7つの習慣』以外にもいろんな理論を拝読して、『私の求めていたものがここにある!!!』と感銘したのを覚えています。すごく衝撃的でした。その後、ゆっくり実践しながら、子供の成長と家庭環境に合わせて学びを進めてきました。


2)
・杏橋:
 そうした学びを通されて、例えばご家庭とか他の方との関係や早くから携わっておられるライフオーガナイザーのお仕事の面で、どのような変化がございましたか。

 

・鈴木
 子育ての悩みが出会いのきっかけでもあったのですが、その時行っていた子育ては、指示命令に近いものでした。私の頭の中には、「私がこの子たちを幸せにしなくちゃいけない」という使命感に似たものがあったように思います。
 元々私は、自分のやりたいことを見つけて自分で道を探して進んで来ていたので、子どもを管理しなくちゃいけないことが苦しくて仕方がなかったんです。「私の望んでいる子育ては、こんな子育てじゃない!!」って叫び続けていました。が、子育ての本を読めば読むほど、周りの目(特に夫の家族)を気にするようになっていきました。比較されることが辛かったです。

 

・杏橋
 比較されることが辛かった。

 

・鈴木
 はい。でも、選択理論を知るうちに、自分は自分で大丈夫。という気持ちに切り替わるようになって、月に一度の研究会も楽しみでした。学んだことも人に対して行うのではなく、自分と向き合って自分が変わることから始めるとよいとアドバイスをいただいていたことで、学び始めに起きがちな家族とのトラブル(笑)もなく緩やかに自分が変化していき、徐々に自分で居られるようになっていきました。

 

 今では、子どもも「いつまでもイライラしている」とか「誰かに八つ当たりする」ということが家の中では起きなくなりました。夫も、怒ったり怒鳴ったりは全然ないですが、私が思い通りに動いていなくてイライラしていることはたまにありますね。

 

 ただ、周りは学んでいるわけではありませんし、変わったというより『元に戻った』という方が合っていると思います。私たち夫婦にも一応楽しい時代がありましたから(照)。子どもたちも『本来の自分』になったんだと思います。

 

・杏橋
 もう一つのライフオーガナイズ?  については、

 

・鈴木
 はい、選択理論を知った後に出会いました。
 “みんな違ってみんないい” の理念を持っている『ライフオーガナイズ』は、アメリカで生まれた整理術で選択理論心理学にとても似ている部分が多いと感じています。
 選択理論の行動原理で自分や相手の行動を理解して、広い範囲での環境構築の実践をしていく具体的なスキルがライフオーガナイズには詰まっている、と私は考えています。私にとっては、二つを知っていると、共に学びが加速する感じです。


3)
・杏橋:
 今までのお話の中とも関連しますが、選択理論は始めての方に、もっとも大事にしておられる選択理論に関連するキーワードを三つほど教えていただけますか。

 

・鈴木
 そうですね、今こうしていられるようになった歩みに大きく影響した三つをあげますね。

 一つ目は、グラッサー博士の言葉「人は、幸せになる責任がある」 。初めて聞いた時は、ドキッとしました。何せ、夫に「幸せにするって言ったじゃない!」派だったので(笑)。
 変な意味ではなく、自分を犠牲にし過ぎて、相手に期待をし過ぎていました。不健全な『幸せ』を目指していましたね。
 この言葉を聞いてからは、自分の幸せは自分で決める!造る!と思って行動するようになりました。

 

 二つ目は、グラッサー博士と柿谷正期先生の合作「他人の欲求充足の邪魔をしないで、他人の欲求充足のお手伝いをしながら、自分の欲求充足をする」です。自分が実践して来て感じたのは、グラッサー博士の言葉は、自分を取り戻す段階。柿谷正期先生の言葉は、相手との絆を育む段階にとても有効だということでした。使い分けたことで、ついつい学び始めに有りがちな「邪魔をしない=ずーっと良い人でいる」という感覚が無くなりましたし、変に考え過ぎることも少なかったように思います。

 

 三つ目は、「他人のハンドルを握らない」です。
 子育てをしていると責任感が先に湧いて、以前は『お手本』って誤魔化して(笑)、ついついハンドルを握ろうと思ってしまったりすることもありました。時に一緒にやることも重要ですが、その中でも握らないように心掛けました。イメージとしては、自分のハンドルの握り方とアクセルへの足の掛け方を一つの方法として見せる程度でしょうか。その後どんな握り方でどう蒸すかは本人に任せて、失敗したら一緒に笑う。そんな感じでした。寄り添う時は、並走するのでは無くて、一旦車を停めて、私が子どもの車にもたれ掛かっているイメージです。私の方が癒されたりしましたね。

 他にも好きな言葉はありますが、ゆっくりココまで来れたのは、この三つが大きく影響していると思います。

 

・杏橋
 お話のあった三つのポイントは、まさに、選択理論のキーポイントですね。
「人は、幸せになる責任がある」
「他人の欲求充足の邪魔をしないで、他人の欲求充足のお手伝いをしながら、自分の欲求充足をする」
「他人のハンドルを握らない」

 

4)
・杏橋
 最後に、これからのご計画や抱負をお聞かせください。

 

・鈴木
 はい。
 自分が変わるだけで、周りが変わっていなくても、見える世界が大きく変わって、捉え方も判断の仕方も変わって、すごく楽になりました。
 人生は一度きりで、限りある時間なので、1人でも多くの方にこの感覚をお裾分けできたらイイな、と思っています。

 

 現在は、個人活動として、子育て中のママを中心にプチ勉強会を開いていますが、秋からは、一般の方向けの協働学習会をスタートします。
私もまだまだ伸び代がいっぱいなので、周囲の方と共に成長していきたいです。

 

 最終的には、教育関係の場でお役に立てればイイな、と思っています。
 あとは、選択理論とは外れますが、『計画された偶発性』で歩んで行こうかと(笑)。
 これからもいろんな場所に出かけ、刺激を受け、人生を楽しむ仲間が増えていったらイイな、と思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

・杏橋
 ありがとうございます。『計画された偶発性』こそ、先の三つのポイントにプラスした『選択的に計画された偶発性』かな?
 ますますのご活躍を祈念しております。今度『計画されたロープレ』お願いしますね。

 

・鈴木ときよさんのFB
https://www.facebook.com/tokiyo.suzuki.1
・こころ力UP↑の整理術~自分も家族も楽しくなる暮らしづくり~
https://ameblo.jp/pop-heart-lo-rin/entry-12371654333.html
日本選択理論心理学会 選択理論心理士
一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会 マスターライフオーガナイザー・CLO(CDスペシャリスト)