修理を終えた2台目のターンテーブルにカートリッジXL-15を取付けて完了しました。
今回下の写真修理箇所は、いつものトランジスタ2個の断線で、実質不具合は2箇所。
オーディオ用コンデンサ2個を一応取替えて合計4箇所の交換で正常に可動しました。
いつものトランジスタ2個交換だけでよかったのですが…
前回の機器はこの部位に、かなりの半導体とパターンに腐食と断線がありました。
三端子レギュレータ2個と抵抗の脚線腐食切断で2個・酸化金属皮膜抵抗の脚部腐食で2個といつものトランジスタ2個で被害が大きすぎます。それ以外のトランジスタとコンデンサはほぼ全取替て…高速超回転収まらず…でした。
まぁ、この件は直りましたら別の機会に投稿します
基盤を裏返して半田面を見ると
2台目のDP-60Lを修理してビックリしたのは、前回の機種と比べあまりにも基盤老朽度の違いが凄すぎて絶句です。
前回修理で内容的にはトランジスターの劣化と断線は変わらないのに、この基盤パターンや半田劣化の違いはどこからくるのでしょう?
今回の基盤はパターンや半田の劣化がなくとてもきれいです。トランジスタ2個が断線して青錆が吹いていたのが不思議なくらいでした。
下の写真、前回の基盤です。どう扱うと(使用又は保管すると)このような差が出るのでしょう。半導体とパターンが共にやられ青錆が吹いていました。
分解と取付ですが、
前回の失敗を反省して、取り扱いに注意して取付と取り外しに神経を使いました。
スイッチ関係の配線は取り外しと取付の階数が多く、何回も溶接点から配線が剥離してしまいました。
この機種でも3度ほど分解をしています。
タクトスイッチも入念にチェックして、今回はそのまま使用しました。
電源スイッチの配線も例に漏れず剥離して、結線の元をたどるのに苦労しました。今回はスイッチ側と線に黄色マーカーで色分を入れました。
モーター内部の接点にグリスアップして、振動低減のため、いつもの鉛板を張り付けましたが効果の程はわかりません。凹の部にもグリグリ押し込み…過ぎて鉛が裂けて亀裂が入りましたが気にしません。
建築用の両面テープを使用しました。ほとんどブチルゴムと同じですがテープが溶け出しません。おまけに振動にも強い。
ブチルは接着後時間が経過しますと溶けるような感じで接着されますが、ベトベトネバネバになり剥がすときと後の処理が大変です。まぁ、水回りに使うくらいですからそのぶん接着力も相当で、こういった機材の接着には向きません。跡が大変です。
いつか紹介しましたブルーのプルプル振動防止材を張り付けて、その上に透明シートでカバーしました。(汚れ防止のため)
最後はアームの調整です。
調整箇所は全部で3箇所です。上部1箇所と両サイド2箇所ので、両サイドは同時に調整します。
上部から作業を開始します。
2つで一対になっており、最初はマイナスドライバーで外回りを外します。
専用ドライバーがありますがこれで十分、ただしマイナス溝に合う厚みドライバーを使いませんと舐める恐れがありナット頭が傷だらけになってしまいます。
グリスアップした中ビスを小型マイナスドライバー(シェルにカートリッジを取付けに使う小型マイナスドライバー)でガタや締めすぎがないよう少し揺らしながら垂直に動かして中ビスをゆっくり回して微妙な調整をします。
アーム元を放すと簡単にガクッと落ちるくらいの締め具合でカートリッジがレコード盤を滑らかに上下追従しているイメージの柔らかさです。
外ナットビスを締めて完了です。その際中ビスが動いてしまいアームの締付度合いが変わった場合はもう一度外ナットを少し緩め、中ビス調整後小型マイナスドライバーを中ビスに差し込み動かないようにして外を締めます。外ナットより中ビスの調整が要です。
左右も同じ要領です。2箇所同時ですので少しずつドライバーで両方互いに締める回数を同じにして、最初はほんの少しきつめに(水平に動かし少し揺らしガタがないことを確認)締めてから緩めていきます。
緩めるときは1/8回転とか1/10くらい微妙に必ず両方互いに均一に回します。
水平、垂直共に少しでも締めすぎますとレコード盤に追従できません。針飛びや音質に影響を与えますので、一度正常な機器で固定や動き感覚を覚えていた方が良いかもしれません。
最後に、接点洗浄剤を少しずつ吹きながら柔らかい筆で埃など洗い落とした後、一気に滴るくらいまんべん吹き、基盤を斜めにして自然に流れ落とし (一晩放置) 基盤清掃を終え、次に接点復活剤を洗浄剤と同じ要領で行い綺麗になりました。半導体等の保護・老朽化防止・維持、基盤の腐食・迷走電流防止にもなります。回転・ブレーキの効き、アームのリフトアップとダウンも調整確認して音出しも無事完了しました。