コーキー・ロマーノ FBI潜入捜査官?(Corky Romano) | CAHIER DE CHOCOLAT

コーキー・ロマーノ FBI潜入捜査官?(Corky Romano)

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アクションコメディでホームコメディでロマンティックコメディで……とひたすらコメディでとにかく楽しい。ことの発端はマフィアのボス、フランシス・ロマーノの逮捕。仲間の裏切りで、関わった事件の証拠がFBIに渡ってしまったためだった。ところが裁判所からでてきたところでフランシスは倒れてしまう。自宅で療養することになったフランシスは、FBIにスパイを送り込み、証拠を奪って隠滅しようと考えた。けれども、ふたりの息子たちはすでに顔を知られていて表立って動くことができない。実は、フランシスの息子はもうひとりいる。それが末っ子のコーキー。数年前に家を追い出されたコーキーは獣医の助手をしている。でもドジばかりでなんとも頼りない。そんなコーキーが父親に言い渡されて、捜査官に扮してFBIに潜入することに……とまあここまでの話だけでもうすでにザ・コメディ。a-haの“Take On Me”をがんがんに流しながら黄色いロードスターを颯爽と運転……というコーキーの登場シーンがまた強烈(この映画を観てから、“Take On Me”を聴くとこのキモ爽やかなシーンが脳内再生されるようになってしまった)。履歴の偽造を頼んだハッカーが盛りすぎたプロフィールのせいで射撃の名手で武道の達人で5ヶ国語が話せるという設定になったコーキーのとんでもストーリーが、あっちに転んだり、こっちに転がったり、さんざんドタバタして、最後はさらりと感動的。声高でなくても、ちゃんと言うべきことを言っている作品はあるんだな、と思った。そして、たくさん笑ったあとに気づけば、観始めたときには思いもしなかった幸せ感が運ばれている。毎回エンディングではちょっと泣いてしまいます。エンドロールとともに流れるナットキング・コールの“L-O-V-E”も最高。大好きな映画です。


*“favourite films 2020”に加筆修正