デッド・ドント・ダイ(The Dead Don't Die) | CAHIER DE CHOCOLAT

デッド・ドント・ダイ(The Dead Don't Die)


ゆるかった。いや、ゆるいんだろうとわかっていたからゾンビ映画なのに観られたのですが。ここからはネタバレになることもあるかもしれません。一切読みたくない方はストップして下さい。さて、この作品、私にとってはまずはアダム・ドライバーを見る映画でもあった。警察官のカーキの夏服、クラッシックなブロウ型のメガネ、いい感じにミディアムな長さの髪……とビジュアル的にも最高です。そのアダムが終始リラックスしたゆるい演技でなんとも良い。ちっさいSmart Fortwoの赤いオープンカーで登場するシーンは笑えるし、カーステレオから流れる音楽に合わせて揺れるうしろ頭とかめっちゃ可愛いんですけど。この作品でのアダムはむしろコメディ的な演技はしていないのに、していないからこそなんかおかしい、という謎現象が起こっている。ゾンビ出現という緊急時にみょうに落ち着いているのにはわけが……というのは、カーステで流れた音楽と関連して後半にわかります。SWネタもちらっと出てくる(嬉しい)。観たあと即行であのキーチェーンと同じもの?似たもの?を買ってしまった。豪華な俳優陣が贅沢に登場するこの映画、伏線という伏線がほぼ回収されません。伏線がきっちり回収される気持ち良さはもちろんあるし、私もそういう作品は神経が行き届いている感じがして好きですが、この作品は伏線放流映画、みたいな。これはこれで、また違った気持ち良さがある。おそらくわざと回収していないからだと思うので、方向が違うだけでやっぱり神経が行き届いているという意味では同じでしょう。最後まで観ると、ゆるゆるのようでいて一応メッセージ性もあったんだなーと。あ、あと、ミンディのおばあちゃんのゾンビが出てきたところはちょっと心が揺れました。私もあの状況だったら、出ていってしまうかもしれない……!