23.えっ、ウォール・オブ・デス? | FOXGODへの道

FOXGODへの道

ちよじぃは、定年退職した後。。ロック&メタルバーのマスターになります。店名は『 FOXGOD 』。コンセプトは、ロックとメタルとベビーメタルと美味しいお酒の店。オープンは2018年1月6日Death。1話から読んで頂くとその道のりが全てわかる連載形式です。

Copyright(c)2017 川城(pixiv)                     

 

もう頭の中がパニック。
この後どうなっちゃうの?誰か教せーて。

 

女神さまがロンドンのステージに降臨しちゃったよ。
もう、左右の女の子も後ろの白塗りの男たちも
ロンドン・東京の観客も女神さまの僕だ。

 

ヘドバン!ヘドバン!の大合唱に合わせて
左右の女の子がツインテールを振り上げている。
ん?真ん中の女の子はツインテールではなく、
ポニーテールなんだ。今さら気付くなんて遅すぎだね。
それにしても堂々としてカッコいいな。

 

そう、この女の子3人組。今までの女性3人組とは
何処か違うような気がするんだよね。
日本で女性3人組といえば、キャンディーズ、
パフューム、後ろ髪・・・もそうだっけ?
意外に少ないよね。でもそれらの3人組って
3人が同列で出っ張ってないでしょ。

 

このベビーメタル、良い意味で出っ張りが
あるんだよね。
それが逆に綺麗なピラミッドを作っている様な
気がする。ダンス言語も3人がシンクロする時と
左右のふたりだけがシンクロする時、
3人バラバラもあって、
全てでダンス言語になっている。
ダンスはどこかパフュームに似てるけどね。

 

この女神さまを中心に出っ張りのある光景、
どっかで見た事ある気がするんだ。
それも遠い昔。。。。

 

あっ、思い出した。「ザ・スプリームス」だ。
日本ではシュープリームスと
呼ばれていた時期もあった。
60年代にアメリカで大ブレイクした
黒人女性ボーカルグループの3人組。
10曲以上が全米ナンバー1ソングになった
伝説の女性3人組で日本でも大人気だった。

 

真ん中のダイアナ・ロスがメインで歌い
左右の二人がコーラスとダンスを担当してた。
出っ張っているけど、3人の構成は絶対比で
少しでも欠けていたら、当時のあの人気は
なかったと思う。
ダイアナ・ロスは女王さまだった。
左右の二人がそれを支えていた。
その人気にあやかりたいと、米国では
スリー・ディグリーズなど女性3人組が
次々に現れた。

 

なんか、ベビーメタルとダブるんだよね。

わわわわ、真ん中の女の子が
ダイアナ・ロスに見えてきた!

 

もちろんジャンルの違いもあるし、
ダイアナ・ロスは女王さまになりすぎて
その後、映画「ドリーム・ガールズ」に
描かれたような悲劇も起きた。
賛否両論あると思うけど、
なんか、そんな風に感じちゃったんだ。
だって、どう見たって女神さまでしょ、
この真ん中の女の子。

 

それにしてもこのヘドバン?の曲、
落ちて、上がって、テンポがコロコロ変わる。
落ちて、上がってって。。。
やっぱりホーンテッドマンションだねコレ。
ロンドンの観客のノリもこれまでで一番激しい。
多くの観客がヘッドバンギングしてる。
東京は、ヘッドバンギングよりも
「ヘドバン!」や「ハイ!ハイ!」と
手を挙げ掛け声を挙げている人の方が多い。
ロンドンに負けるな東京!

 

3人の女の子、倒れ込んでこの曲が終わった。

 

ロンドン・東京共に大歓声だ。
雰囲気的にはまだやりそうだな。よかった。
全く飽きてない。というか終わっちゃうの寂しい。
まだまだ聞いていたい、まだまだ観ていたい。
本音を言えば1階に飛び降りて暴れたいんだけどね。
それほどこのライブ凄いよ。

 

暗転している中、ピアノの音と共に女性の声の
ナレーションが聞こえてきた。
これ、真ん中の女の子の声だ。
英語で語っている。それも少し寂しそうな声で。

 

英語、苦手だけど、簡単な言葉なら判る。
「なぜ人を傷つける?」とか「一緒に立ち上がろう」
とか「諦めてはいけない」とか言っているようだ。
えっ?いま「WALL OF DEATH」って
言った気がする。聞き違いかな?
そして最後の「ノー・モア・ブーリィング」って、
ブーリィング?どういう意味だろう?わからないや。

 

これが次の曲のフリなんだ。
この雰囲気だと次が最後の曲だろう。
これから、どんな曲がはじまるの?

 

真下の東京でまたも動きがあった。
2ヵ所位で数名のファンが他の観客に
下がれ下がれと指示を出してる。
観客も手慣れたように下がり始めた。
5メートル間隔の手摺りがあるから、客が下がると
10メートル位の長方形のスペースが出来た。

 

一方のロンドンの映像をみると
暗くてはっきり見えないけど
大きくて丸いスペースが出来てるぞ。
観客たちも何か異常に興奮している様に見える。

 

えーっ、もしかして、ウォール・オブ・デス?

 

メタルフェスで見るあのウォール・オブ・デスが
ロンドンと東京で発生するの?
びっくりだよ!想像もしてなかった。
だって、カワイイ女の子3人組のライブだよ。
そうだとしたら、東京は手摺りがあって可哀想。
長方形のスペースで左右から
ぶつかり合うって事だよね?
こっちの方が危険じゃない?

 

ユーチューブでは見たことあるけど
実際にこの目で見るのは初めてだ。
それもロンドン、東京、同時に。

 

「ルルルー」と真ん中の女の子が歌いだした。
どのタイミングでウォール・オブ・デスが始まるの?
それにしてもこの女の子の声、
濁りのないストレートボイスで綺麗だね。
うっとりしちゃうよ。
歌っている表情も本当に凛々しい。

 

2階の関係者たちも固唾を呑んで見守っている。
この瞬間を見逃さず、ちゃんとした記事をかけよ。
「歴史的な出来事」という慣用句を忘れずにね。

 

「ルルルー」の歌が終わり・・
バンドの音が炸裂した!
待ってました!サー行くか?
あれ?行かない。。。

 

真ん中の女の子、腕をバツ印にしている。
そして。。。
女の子の「あーーーーーーーー」の合図で
ロンドンと東京の観客、そしてステージの
左右の女の子も一斉に走り出した!

 

いよいよロンドンThe Forum公演は
クライマックスだ!

 

(続く)