こんにちは。
行徳の訪問マッサージ師 田口です。
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先日、『パーキンソン病』を患っているSさん(70代女性)宅へ、訪問した時のことです。
新型コロナの影響もあり、Sさん夫妻は自宅に籠もることも多くなっていました。
しかし籠もってばかりでは体もそうですが、気分も塞ぎ込みがちになってしまいます。
そこで、気分転換のつもりで近所を散歩したそうなのです。
その時の様子を、ご主人がこう語ってくれました。
「散歩して帰ってきたら、いつもより体の動きが良くなったので驚きました」
パーキンソン病は簡単に言うと、体がスムーズに動かなくなってしまう病気です。
この病気は脳から発する命令が、神経を通して体の各所にうまく伝わらないことで起こります。
例えが悪いのですが、具体的にはこんなニュアンスの動きです。
インターネットで見たいページをクリックすれば、画面が切り替わって表示されます。
しかし不具合があって、ページが切り替わらない「フリーズ」した状態になることがありますよね。
これが体に起こってしまうのが、パーキンソン病なのです。
パーキンソン病の原因は、未だに詳しくわかっていません。
しかし、判明していることもあります。
中脳の『黒質』と言われる部分に、何らかの原因で、細胞の減少が起こっていることです。
黒質の神経細胞は、『大脳基底核』へ接続しています。
大脳基底核とは、体のバランスをとったり運動を調節するために、重要な役割をする部分です。
神経同士は互いに、神経伝達物質を使って信号を伝えます。
こうして脳からの指令を、次から次へと伝えていくのです。
陸上のリレーで、バトンを次々に渡すイメージです。
このやり取りに、『ドーパミン』という神経伝達物質が使われます。
脳細胞が減少すると、ドーパミンが十分に作られなくなります。
すると、神経同士の連絡に不具合を生じます。
指令がうまく伝わらないのですね。
そのため、動作が遅くなったり、体のバランスが取りづらくなったりするのです。
この細胞がなぜ減少するのかが、解明されていないのです。
またドーパミンは、神経伝達とは別の一面を持っています。
「快感を得る」「意欲を感じる」といった機能を担う、脳内ホルモンの一つという側面です。
脳内には、約1兆個の神経細胞があります。
その中には、ドーパミンにしか反応しない神経も存在します。
この神経は『ドーパミン作動性神経』と呼ばれています。
ドーパミン作動神経は、快感を伝達する神経と言えます。
つまり、ドーパミンを分泌させることは、快感を得ることと関係が深いのです。
そしてドーパミンは、こんなときに多量に分泌されます。
・何かに対して意欲が出ているとき
・気分が良いとき
・何かに感動しているとき
また新しい刺激や初めての経験なども、とても有効です。
ここで、冒頭の話につながります。
Sさんが散歩した後は、ドーパミンが多量に分泌されていると想像できますね。
そしてその後に体の動きが良くなることは、当然の結果と言えます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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