シンイではありません
要注意です!!
善徳2次 ~祈りの星月夜~
天の川 門(と)渡る 舟の梶の葉に
思うことをも 書き付くるかな
(天の川の水路を渡る舟の舵ではないが
梶の葉に思いを綴り織姫と彦星に備えよう)
~ 今年も来てしまった
3人で隠れて息を潜めた石の洞窟
思えば出会って間もないこのころが一番楽しかったかもしれない ~
ユシンは人の気配も全くない、動物さえ息を潜めている薄暗い山中を高台へと登って行く。
3人で隠れた洞窟に露を乗せた梶の葉を備えて。
女王トンマンとピダムの墓は別にあるが、なぜかここに弔いにきてしまう。
~ 弔い?
いや、願いだ!
それも永遠に敵わぬ願い ~
高いところほど、星が美しい。
木々が生い茂る山中を抜け、高台に上り空を見上げると見渡す限りの星月夜。
両手を伸ばすと、まるで星の光が降ってきそうなくらい。
時々、走り落ちる流星が、幻想的で美しい。
そして、夜の闇の訪れと共に現れる銀河の帯、天の川。
今年はいつも以上に鮮やかな輝きを夜空に放っている。
時代と運命と掛け違った歯車と
そんな大きな川に阻まれ、手に手を取って運命を共に進めなかった二人に、この日だけは天の川を渡り、出会ってほしいとユシンは願う。
~ 本当は、草露をためて擦った墨で梶の葉に
願いを書くと叶うというが、私には似合ない!
せめてあの世で手を取り合ってくれてると
いいのだが ~
そんな思いで見上げた空から今度は2つ同時にユシンの後ろの方へ落ちて行く。
落ちた先を見ようと振り向くと、少し先から蛍が2匹光りながら舞飛ぶ。
ついては離れるを繰り返す蛍
~ まさかな
蛍になって、逢瀬を楽しんでいるのか
トンマン、ピダム ~
ユシンは遠くの藪へ消え入るまで蛍の舞を楽しんでいたが、ふと、叶わぬ願いが込み上げてくる。
何度も何度も浮かんでは消える思い。
― トンマン・・・
ピ・ダ・ム
トンマン・・・
もう1度会いたいな~
女王を呼び捨てなど、罪であるが
この地ではお許しください。
もしも、手に手を取って無理にでも
ここで逃げていたら・・・
もしも、貴方が亡くなる日
もう1度一緒に逃げようかと問いに
頷いていたら、蛍は1匹だけで
私のもとへ飛んできただろうか?
女王様・・・お会いしたいです。
あの日に・・・戻りたいです。
トンマン、トンマン、トンマン
何度も繰り返す、叶わぬ願い
今年もそっと梶の葉と共に思いを置いてくる。
そして、下弦の半月の月が天の川に差し掛かる頃、夜道をおりてゆく。
見上げるその光景は、銀河を渡る月の舟さながらだ!
月の舟に乗り、消えかかる銀河を下って行くように。
~ ピダムとトンマン
どうにか逢瀬が叶ったらしい ~
1つの命の終わりの場所、そして始まりの場所を静かに後にするユシン
満天の星月夜の中でまた来年も来ることを誓う!
願いを置きに!!
■□■□■ あとがき □■□■□
紫陽花の候
皆様にはいかがおすごしでしょうか?
梅雨の真っただ中、卯の花腐しのような雨の憂鬱さに、うんざりの地域の方もおりますでしょうが、梅雨が明けると一気に夏模様になりますね!
風も温かさを含み白南風へと変わり、景色も濡れる若緑から濃い緑に変わってきます。
和菓子屋さんでは、夏模様の和菓子が出てまいります。
夏鮎や金魚、水などを模した可愛いものが沢山で見てるだけで、夏もいいかなと思ってしまいます。
シンイのアメンバー様、連続のお話は夏ごろまで、もう少し、お待ちいただきたいと思います。
私事ですが、お仕事を2~3人分行っていて、ゆっくりアップする時間がありませんので、滞ってますが頑張って行きますので今後ともよろしくお願いします。
いつも読んで下さる読者の皆様、ありがとうございます。
暑い日が続いてますが、健康の管理には十分注意して、梅雨の季節を満喫してください。