2020東京五輪はガチな商業イベントであり、前の1964東京五輪大会ごろの「参加することに意義がある」的なアマチュアリズムのイベントとはもはや別物と考えてよい。商業化された1984年ロス大会からリオ大会までは五輪スポンサーが1業種1社ルールの縛りがあったが、東京大会はそのルールを取り払うことでスポンサー企業数はリオ大会の4倍にもなる81社(2021年4月時点)という。2020東京五輪大会ほどスポンサーをかき集めた五輪大会はなかったわけだが、この中に五輪放映権を持つ米NBCは含まれていない。

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>京五輪は2021年4月には81社に達している。これを可能にしたのは、過去大会まで金科玉条とされていた「一業種一社制度」の撤廃である

やりがい搾取の商業イベント

とことん商業イベント化された大会で、ボランティアを募集していたから呆れる。古い五輪時代のアマチュアリズムに訴求し、人をタダ働きさせようというのは厚かましいにもほどがある。五輪に名を借りた「やりがい搾取」的な腐臭すら漂う。

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>募集にあたってはボランティアのやりがいをわかりやすくPRしていく
>そのPRを実施するのがまたしても電通である。五輪で巨額の利益をあげる企業が人々に無償で働くことの重要さを説くとは、ブラックジョークとしか言いようがない。案の定、ネット上では「ボランティアには一銭も払わないのに、電通には億単位のPR費を払うのか」という批判が渦巻いた

ボランティアの大量辞退にも平然 五輪組織委員会

五輪ボランティアの辞退が相次いでいるのは、外国人観客の受け入れ中止でニーズが合わなくなったり、流入コロナによる感染リスク、延期で都合が会わなくなったためだけだろうか?

☞ 五輪ボランティア辞退はまだまだ続く 組織委の傲慢に怒り

>本番時に着用するユニホーム一式を取りに来るようメールがありました。九州在住のボランティアは静岡まで取りに行かなければならず、断念した
>新型コロナワクチン接種の話は一切なく、組織委から来たメールは、風しんと麻しん(はしか)の予防接種案内でした。

中には「無償奉仕が組織委からリスペクトされていない」と感じたという証言など「組織委のゴーマンな態度」に嫌気がさして辞退というケースもあったようだ。ボランティアへのワクチン接種は言われて泥縄式で追加されたようだが、ボランティア全員へのワクチン接種ができるかどうか怪しいらしい。どうにもボランティアが粗末に扱われているように思える。

 

大会ボランティアの辞退者が出ているのは特定の会場ではなく全国的な傾向らしい。それでも五輪組織委員会の事務総長は「一万人辞退しても簡素化しているので問題ない」と強気の発言。コロナの影響でイベント規模が縮小しているから簡素化というのだろうか?

 

どうもそれだけではない気がする。大会ボランティアが献身的な精神で労働力を捧げるには相応しくない商業イベントだと気づきはじめたのかもしれない。これからもボランティアの辞退者が増えていくだろう。

 

“国際スポーツ大会イベントでバイト募集(笑)

組織委員会が強がる裏には人材サービス業者を通して“国際スポーツ大会イベント”という名目でバイトを募集しているからだろう。バイトを集める名目“国際スポーツ大会イベント”が“五輪”の言い替えだと小学生でも分かる。

 

正直に“五輪バイト募集”と書くと無償のボランティアが逃げ出すからと、“国際スポーツ大会イベント”と呼び方を変えたのは明らか。こんな姑息で幼稚な偽装工作までして人材サービス業者に人集めにさせる手口は、かえってボランティアを侮辱しているようなものだ。

五輪ボラとバイト募集で分断化

応募した大学生は「どこも人材を集めるのに苦労していて時給を高くしても人が欲しいらしい」と証言。高給でも安心・安全とは思えない環境のイベントで感染を心配して人が集まらないのだろうか?五輪関連バイトの募集は、原発廃炉作業やアスベスト断熱材を含む建築物の解体作業に従事する作業者募集案件のようなものかもしれない。健康上のリスクがある仕事は必然的に高給での募集となるわけだ。

 

ボランティアの無償の厚意を踏みにじる組織委

人材サービス業者が“国際スポーツ大会イベント”で集めるバイト料は時給1,500〜1,800円、日給 1.6万円など、かなりの高給で募集している。同じ業務でありながら高給でバイトを集めるのはボランティアらの無償の厚意を踏みにじるようなもの。ボランティアとして五輪に“参加することに意義がある”時代ではなくなっているのだ。大会ボランティアらがリスペクトされていないと感じるのも当然だ。

 

五輪ボランティアの女性は「報酬もらってないし契約しているわけでもない」立場から「こちらがドタキャンしたところで別に罪悪感を感じたりしない」という正論をぶちまけた。まー、同じ仕事をする高給バイトが居るなら、ドタキャンしたくなる気持ちは分かります。やっちまえょ😜

五輪ボラドタキャンでも罪悪感ないかも

人材サービス業者も大会ステークホルダー(笑)

五輪組織委員会は2018年で大会ボランティア募集を終えており、大会延期後は追加募集はしていないようだ。

☞ 東京2020大会 ボランティア募集

 

五輪組織委員会がボランティアを募集できるなら、組織委員会が直接バイトを募集すれば人材サービス業者のピンハネを減らせ、人件費の総額が減らせるはずだ。バイトの労務管理がめんどくさいと逃げるだろう。そんな言い分で人件費を抑える努力を放棄し、丸投げするのは人材サービス業者が大会ステークホルダー(利害関係者)だからか?組織委員会が汗をかけば、五輪運営費をいくらかでも減らせるはずだが?

 

五輪にしがみつきたい人材サービス業者

自民党政権と一体になって人材派遣サービスで利益を上げてきた企業(労働搾取またはピンハネ業態ともいう)では五輪イベントで大儲けの図式が確立している。もし、イベントが中止にでもなったら、儲けるはずの金が蒸発してしまうことになる。どんなことしても、どんな理不尽なことを言っても中止だけは止めさせたい。そういう思惑が各所で露呈している。

世論が間違ってますよ

前の記事に出た「世論がまちがっていますよ」の人は自民党政権の中枢に居座り、日本の雇用・労働環境をぶっ壊して「ワーキング・プア」社会を現実のものにしただけでなく、人材サービス大手パソナグループ取締役会長などもやっている人物らしい(笑)。商業五輪のステークホルダー(利害関係者)らしい、単純明快で分かりやすい言動に、この人もヤキが回ってきたなという印象しかないのだが👇(笑)はよ消えて欲しいわコイツ……

パソナの大規模スポーツ大会バイト募集

商業五輪のボランティアなんかやめちまえ!