第89話「地獄の再会」

放映日:1974/3/29

 

 

ストーリー

一係室に鮫島刑事の夫人である玉枝(北あけみさん)が来訪していた。

玉枝は小さな飲み屋を経営しながら、息子と生活することを決意し、刑事の妻に戻る気は無かった。

島は喫茶店にて、鮫島(藤岡琢也さん)を復縁させようと説得していた。

鮫島は山田署へ転勤してから初めて警視総監賞を貰い、経緯を青木孝文刑事(勝野睦浩)さんに説明していた。

青木刑事も警視総監賞を貰い、故郷の父親に見せるつもりでいた。

青木には母親がいなかった。鮫島は青木刑事を褒めたたえた。島は藤堂が鮫島のもとに来ること、玉枝も一緒に来ることを伝えた。

鮫島は玉枝と会うことを決意した。喫茶店に鮫島刑事宛の電話がかかったが、恥ずかしいという理由で代わりに青木刑事が出た。

青木刑事は、喫茶店の外で駐車していた車に乗っていた、神戸を根城にしているプロの殺し屋の鶴間邦彦に撃たれ、死亡してしまった。

島は車を撃つことができなかったが、ナンバープレート「品川55 す 83-75」を記憶した。鮫島と島はタクシーを強引に乗っ取り、車を追跡した。

鮫島と島は車を発見することができた。藤堂は青木刑事が殺害された喫茶店に駆けつけた。

連れてこられた玉枝は喫茶店の外で待機していた。

鮫島は青木刑事を殺された影響で激情していた。島はタクシー無線で現在地を七曲署に伝えた。

鶴間が所持している銃が、ウィンチェスター1400という連続発射が可能なショットガンであることが判明した。

藤堂は玉枝を連れて島と鮫島のもとに向かった。鮫島は犯人の見当が付いていなかった。

鮫島と島は東名高速で犯人の車に回り込もうとしたが、鶴間たちは山田のインターチェンジ付近で高速道路を降りてしまった。

鮫島と島はタクシーを乗り捨て、高速を降りて山中に入った。鮫島は鶴間の車に向かって発砲し、鶴間と寺山を降ろさせることに成功した。

事件が山田署との合同捜査になった。

鮫島と島はガソリンスタンドにて、鶴間たちが車を強奪すると察知し、張り込んでいた。案の定、鶴間たちは車を盗みに現れた。

鮫島と島は拳銃を突きつけて警告し、鶴間たちは手を挙げたが、そこに黄色い車が乗りこんで来た。

ショットガンを持った鶴間(関虎実さん)は黄色い車の運転手(大宮幸悦さん)を射殺した後、鮫島によって射殺された。

寺山は武器を持っていなかったが、ライターでガソリンの給油ノズルに点火すると脅迫してきた。

寺山は黄色い車に乗って逃走した。鮫島はガソリンスタンドのドラム缶を積んだ軽トラックに乗って追跡を開始した。

黄色い車は山中に向かって逃走した。鮫島はドライブインにて、白い小型車を強奪し、島を残して追跡を続行した。

藤堂はガソリンスタンドに赴いた。藤堂は射殺した男の顔が鶴間であると分かった。鮫島は検問所に到達した。

寺山の乗った車は鬼姫山方面に逃走していたため、山梨県に抜ける国道に検問を設置し、一帯に非常線を張っていた。

寺山が乗り換えた黄色いセリカはまだ検問に到着していなかった。

北は八王子警察、南は神奈川県警、東西は第八警邏隊が警備し、鬼姫山を包囲している状態だった。鮫島は来た道を引き返した。

藤堂の車がドライブインに到着した。鮫島は山中を調査していた。藤堂と玉枝はドライブインで話していた。

鮫島の息子は中学生だったが、大人しい子供であった。藤堂は玉枝に復縁を勧めたが、玉枝は応じなかった。

山村により、寺山が前科七犯のしたたか者だということが判明した。藤堂は雇い主が山田にいると推測した。

鮫島が山田署に異動後に警視総監賞を貰った、女子高生連続殺人事件の犯人である渋沢務は、鮫島によって射殺されていた。

山村は渋沢のバックを調査することになった。

鬼姫山にはモーテルが30件近くあり、ドライブインやゴルフ場や石切り場の小屋、農家など、隠れ家が多数ある状態だった。

山中のモーテルや小屋の尋問には機動捜査隊が、山を通り抜ける車には機動警邏隊が張っていた。

鮫島は島の拳銃を持っていた。鮫島はゴルフ場を通り抜けたときに、ゴルフボールを1個拾っていた。

渋沢には組織のバックが無く、母親が雑貨屋を経営していたが、殺し屋を雇える財力は無かった。

鮫島はモーテル「龍泉荘」に立ち寄り、その中の西山荘の建物に突入した。鮫島は天井から落ちてきた蛇に驚き、拳銃を撃ち尽くしてしまった。

建物の中に潜んでいた寺山が現れ、拳銃で脅迫した。さらに龍泉荘の管理人(塩沢ときさん)が現れ、鮫島を拳銃の台尻で殴り、昏倒させた。

雑貨屋の女性が渋沢の母親ではなく、戸籍上の親子だが、渋沢は姉の子供であることが判明した。

渋沢の本当の母親が龍泉荘の管理人であることが判明した。玉枝は藤堂に渋々同行した。

寺山と龍泉荘管理人は鮫島を拘束していた。管理人は鮫島を、渋沢が撃たれた場所と同じ個所を撃って殺害しようとしていた。

鮫島は男手一つで立派に育てられた青木を殺した寺山と管理人を外道と叫んだ。管理人は鮫島に向かって発砲した。

藤堂たちが龍泉荘に突入し、寺山と管理人は逮捕され、鮫島は救出された。拳銃の銃弾はゴルフボールに突き刺さっていた。

鮫島と玉枝は神奈川県警のパトカーで病院に送られる途中で降りた。

 

 

メモ

*今回より、OPのジーパン紹介部分、スタッフロールのボスが歩く部分、ジーパンのフラッシュカットが変更となった。

*鮫島の妻である玉枝が初登場。

*後のテキサスである勝野洋(勝野睦浩名義)がテスト出演。「刑事狂乱」の前日談となった作品。

*玉枝は送り返した方が良かったのでは?

*鮫島の子供が名前だけ登場。「ジョーズ探偵の悲しい事件簿」にて画面に姿を現す。

*母親が息子を射殺した刑事に復讐するという展開は「ゴリさん,死の対決」を思い出す。

*鮫島は蛇が苦手らしい。このことは「鮫やんの大暴走」にも受け継がれる。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)
藤堂俊介:石原裕次郎
柴田純:松田優作
島公之:小野寺昭
野崎太郎:下川辰平

 

 

永井久美:青木英美
鮫島隆:藤岡琢也
鮫島玉枝:北あけみ
龍泉荘管理人:塩沢とき、山中貞則
青木孝文:勝野睦浩(現:勝野洋)、佐竹一男、鶴間邦彦:関虎実
ノンクレジット 黄色い車の運転手:大宮幸悦

 

 

石塚誠:竜雷太
山村精一:露口茂

 

 

脚本:市川森一
監督:竹林進