ストイケア(Stoicheia)と「幾何学原本」 | 扶氏医戒之略 chirurgo mizutani

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ストイケア(Stoicheia)と「幾何学原本」
徐光啓(1562-1633)は明朝末期の政治家、農学者、暦算学者です。イエズス会宣教師マテオ・リッチから天文学、暦算、数学、地理、水利などの学問を学び、ユークリッドの著した「ストイケア」13巻を漢訳して「幾何学原本」としました。これが日本にも入ってきて「幾何学」が日本語になったと考えられます。
ちなみに、幾何(きか)とか中国語では、いくばく、若干という意味です。幾多が数の多少のことをいうのに似ています。「幾何学」の言葉の意味としては「幾ばくぞ学」のようなものであって、直接的には図形の意味はありません。
幾何学の英語はgeometryで、ドイツ語はGeometrie、フランス語はgeometrieです。geoは土地、metryは測量のことです。ちなみに、英語ではストイケアはThe Elementsと訳され、学問の初歩という意味が込められています。

定理(theorem)は劇場(theatre)に由来する
定理とは何か、これを英語で定義すると、
A theorem is a statement that is proved by reasoning deduc-tively from already accepted statements.
つまり、「定理とは、すでに正しいとして認められた記述(命題)から、演繹的に証明される記述(命題)です。
「Theoremは、劇場のシーンのように見ることによって明らかにすること」という古代ギリシャの語源を持っています。ピタゴラスの定理を図形によって明らかにすることは、まさにこれに通じます。
古代ギリシャの時代には、代数学(algebra)はまだ無かったのでa[2]=b[2]+c[2]という理解はなく、あくまで図形の性質として理解していました。
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