チプカリ(ヤモリ)にヤラれる
うちの壁で起きた事件により気絶寸前に追いやられたことがある。
チプカリ(ヤモリ)が、うちの壁でヤった・・・。
私はチプカリが死ぬほど嫌い。目がつぶらでかわいいじゃん、とか、手がかわいいとか、言う人もけっこういるが、私としてはものすごく嫌だ。
私の視力はとてもいい。調子がよければ2.0、そうじゃなくても1.5は普通にある。だから望んでいなくとも、運命的にすごーくチプカリの細部まで見えてしまうのだ。
吸盤つきの手、キャビアみたいな目、半透明のピンクっぽい肌とその質感・・。よく、しっぽの途中で質感が変わっている。それはしっぽが一度切れたことがあって、また生えてきた名残・・。
おおおおおわぁぁ、気持ち悪い!ゾゾ~~ッ!
それで異常なスピードで壁をヒタタタタタッといきなり移動したりして私をのけぞらす。
言っておくが、普段から凝視なんかしたことない。一瞬でこんなにちゃんと見えてしまうのだ、私の目には。
そんなヤツらはインドでは避けるのは不可能。常に家のどっかにはいると思って間違いない。この間は、うちのコンセントのプラグ口で自殺を図った。
インドのコンセント口はまず、しっかりついているなんてことは稀だ。歪んでいたり、半分とれかかっていたりしているのが「普通」である。当然、うちのプラグ口も半分とれかかっていた。
ある日私は、湯を沸かしに台所にいたら、なんだかどこからか、ジリジリジリという音がして、心なしかコゲ臭い感じ。
そしてふと見たらところ!!!プ、プ、プラグ口から見覚えのあるシ、シ、シッポが出てて痙攣しているじゃーないですか!!!
本当に私は気絶しそうになった。中で本体(体部分)が感電して、それで外に出ているシッポが勢いよく痙攣してブンブンふれていた。悲鳴を上げて逃げ、たまたまうちにいた彼にまかせた。(この時はまだ一緒に住んでいなかった)
が、事態はスムーズにいったわけではない。ここからは私は見てないが、部屋の隅に隠れて聞いた実況中継によるとよると・・・・
まずシッポをひっぱったら切れた。もう一度ひっぱっても切れてしまい、結局シッポが今3ピースになった。最終的には、棒で本体をかきだすしかなかった。出てきた本体は半分焦げて、焼けていたという・・。
うにこういう事はやめていただきたいです、チ
プカリさんっ。
そして、ある日とうとう、ヤツらはうちの壁でヤっ
た。
最初2匹がヒタタタタッと近寄り向かいあった。
私は「まさか!」と思った。が、まさかだった。
その後は写真のとおり。全部で15分くらいは
してたぞ。長いじゃん。
それこそ、目をつぶりながら死にそうになって
撮影した。彼に「こんな事がうちの壁で起きた
!」と見せたいが為に・・。ブログにこんな写真
を載せることになるなんて思いもよらなかった
よ・・。
それにしてもよく、壁でするもんだ。だって垂直なんですよ、壁って。信じらんないっ。落ち着かないと思うんだけど。
ちなみに、コブラの交尾は丸一日続くと聞いた事がある。
ああいう、爬虫類系のやつらの交尾というのは長いものなんだろうか??
なかなか長かった、チプカリ。
「最中」のチプカリ。メスの方がでかい・・。上の写真の、「腹の肉がめくれている感じ」がや~だ~。
ゲボが降った
ラジャスターンのオヤジたち
2年前のある日、まだバックパック旅行者だった頃、私は夜行バスでウダイプルからムンバイへ向かっていた。バスで18時間。そのバスは寝台がくっついているバスだった。
夕方にウダイプルを出発。私は一番うしろの左側の下段だった。それにしても一番後ろだから揺れがすごい。まだ寝る時間ではなかったので私はあぐらをかいていた。見上げると頭から天井まで20センチ程。「20センチあればいくら揺れても、天井に頭をぶつけることはないだろう」と思ったその瞬間、あぐらをかいていた私はまるでアサハラのようにそのまま宙に浮き、頭をぶつけた。
その後暗くなってきたので、おもむろに横になってみた。すると大きな窓にオリオン座。
ああ、寝転んでオリオン座を眺めながら旅行なんてステキ・・・。
ひどい揺れにも負けずに、しばらく寝っころがってしみじみ星空を眺めながら心に映るよしなし事に思いをはせてうっとりしていた。(電車だと窓は小さいし、曇っているし、景色なんてほとんど見えないのだ)
と、ここまではよかった。
が、さて、どのくらいしみじみしていただろうか、ある時突然、隣との境のカーテンの向こうで「バシャーッ」という液体がブチまかれる音がしたのである。
私は「まったく、ペットボトルの管理くらいちゃんとしといてよね、どうせペットボトルが割れたんじゃないの?(インドのペットボトルは弱い)」と思った。私は再び窓に目をやり、またうっとりタイムに入ろうとした。
が、水をこぼした如きにしてはどうも隣が騒がしいのだ。そのうち「エクスキューズミィ~。ストップ」まで言い始めた。私は「まったく、水こぼしたぐらいで騒がないでよね、バスがまた遅れるじゃん」と思いながら眉間に皺をよせていた。
そしてまた窓に目をやり空を見始めたその時である。
ん?!!。私のオリオン座の窓に黄色い液体がサ~ツとかかったのである。この瞬間に私はすべてを理解した。
おそるおそる反対側のカーテンをめくると、そこにはすでにゲボの海。私の真上の寝台のおばぁさんが脇に(つまり私の隣の人の真上に)ゲボを降らしたのであった・・。ああ・・。
そういえば、匂いもすごい。だが、さっきまで私は車中で誰かがカレーを食べている匂いだと思っていたのである。思い込みって恐いわ。あー、気持ち悪い。すごくしっかり嗅いでしまっていたじゃないの・・。
それにしても見れば見るほどすごい量のゲボで、私のカーテンのあっち側、手すり、至る所にこれでもかという程、かかっている。
頭からゲボをかぶった女の子の怒りはすさまじく、当然バスも止まり、車内は大騒ぎ。ペットボトルの水しかないので髪をおおまかにしか洗えなかった彼女は持っていた線香の束20本くらいに一気に火を付けて、バス中を歩いてまわり「匂い消し」の儀式を行った。結局この騒ぎでバスは1時間半とまり、バスの中は煙で真っ白。
誰かが「こんなたくさん吐くなら、バスに乗る前に食べ物を食わすな!」みたいなことを叫んでいた。本当に小さなおばあさんだったので、なおさらその大量さが明らかに「たくさん食べた」事を物語っていたからだ。
ちなみにインド人というのは本当にいつでも何かを食べている。ナッツや果物や屋台の食べ物。普段は私もよく屋台の食べ物を食べるが、この日ばっかりは「朝から晩まで食ってばっかりだからだ!バスに乗る日くらい、食事のコントロールしなって!自分の体でしょーが!」と思った。
騒ぎから11時間後、バスは2時間遅れでようやく朝ムンバイに到着。かわいそうにゲボを頭からかぶった女の子は、一晩中カピカピの頭で過ごしたのだった・・。私も、事件の後はカーテンもなく(ゲボで汚れたのではずされた)、黄色い液体で汚れた窓から星を眺める気分にもなれずに足元周辺のゲボエリアをよけてちぢこまって寝た。
ちなみにその後、もっと旅行するにつれつくづく分かった事なのだが、とにかくインド人というのは実にバスでよく吐く人々である。
インドを旅行していると、ど~にもやっぱり、「”まさか”をちょっと上回るような小事件」に見舞われやすい。油断した時にやられる気がする。あなどり難しインド!
このタイトルはいかがなものか
マンディル(寺)の入り口にいたライオン・・
「心の暴風警報」なーんてタイトルをつけてしまった。
「さぁ、ブログをはじめよう」とかいうボタンをクリックしたら、いきなりタイトルを決めなきゃいけないというじゃないの。
瞬間、なぜかこのタイトルが浮かんだ。
ついこの間、ある人に「今年一年を振り返ってどうでしたか?」なんて聞かれたとき、「心が暴走しまくって大変だったすよ」と心で思ったのが(実際はこんな答えしませんでしたよ)まだ頭のどこかに残っていたからに違いない。
ちなみに子どものころ、なぜか家にあったフランクミルズ?とかいう人のテープに「暴雨警報」という曲があって(特にここでそれをお勧めしているわけではない。)よくそれを聞いていた。タイトルを決めた時もその曲が頭の中で鳴っていた・・。
もちろん誰に命じられたわけでもなく、特にこれといった用事も目的もなく、「なんか気になる」という理由でインドに来ちゃったのはこの、わ・た・し。
だけどだけどチキショー。なかなか大変なんすよ~。こんなインドなんつぅ、異国でさー。なーんもスムーズにいかなくってさー。みんなにいろいろ質問されるけど、「いろいろありましてね」しか言えないよっ。
というわけで、自ら心の整理をすべく、また、みなさんと話しを分かち合うことでインスタントにでも安心感を得るべく、「いろいろありましてね」な日々を記すことにしました。
インドでの生活は、というかインド人と一緒にいると日々、「事件」には事欠かないため、つい、ふいを突かれて心に暴風が吹き荒れる事が多いんですよ。
インドについてや、インド人についてや、インド人の彼についてや、そしてインドとは関係ない事などもたまに。そんな感じで。
ヒマつぶしに読んでちょう。
チリヤン より