シジミ汁を作ってみた。
私は小さな蜆をつまんで、一つ一つ丁寧に食べる。
そして、いつも思い出すことがある。
巨大なカラス貝の思い出。
幼少期 練馬に住んでいて、南光幼稚園という施設に通っていたのだが、その園には池があって、そこに大きなカラス貝が一つ、生息していた。
幼い私は、ある日、家族みんなで食べようと、
その貝を取って家に帰った。
驚いた両親は、戻すことを私に提案し、夕暮れに私は父親に連れられて、園の池にそっと返しに行った。
それがいつも必ず思い出す幼少期の父親といた時の記憶。
この頃父親は練馬で事業に失敗して、家族を連れて漬物屋の倉庫に住み込みで働いていた。
私の頭に、前頭部なんだが、一本ハゲがある。この頃のこと、近所の一緒に遊んでいた同い年の子供に石を投げられて、命中。
頭に傷をおった。
その時の傷痕がハゲとして残っている。
アラフィフを過ぎた今でも私の髪は薄くはなっていないが、
この一本ハゲは恥ずかしくて、あまり髪を、というより、このハゲが現れるほど短く散髪することは避けている。