小粒のIPOに意味がありますか?と質問がきたので | 小川健志の破壊的イノベーション
2017-06-02 17:00:00

小粒のIPOに意味がありますか?と質問がきたので

テーマ:スタートアップ・経営論

#台北のマンダリンオリエンタルホテルにて

 

 

読者の方からファイナンスについてご質問を頂き、メッセージのやり取りをしておりました。

せっかくなので、頂いた質問と私の回答を記事にします。

 

 

質問1:小粒のIPOは意味がありますか

 

 

NPで堀江さんのコメントを見過ぎかと、、

 

 

マジレスすると、発行体が狙う成長曲線とその為の調達目論額に合理性があれば、サイズに関わらず全てのIPOは理にかなうと考えます。

 

 

これは他人がどうこう言う事じゃないですね、やりたきゃリスクとリターンを考えてやれば良いし、やりたくなけりゃやらなければ良いだけ

 

 

 

質問2:会社を始めるので、銀行かVCから資金を調達しようと思うのですが、どちらがお勧めでしょうか?

 

 

 

個別状況(足下の営業収支、事業の成長性)を鑑みないと、フィットした事は何も言えませんが簡単に回答します

 

 

調達先(デッドorエクイティ)を悩んだ時、まず検討するのは「キャピタルコスト」だと思います。

 

 

簡単な話、株と引き換えに資金を調達するのと、金利が練り込まれた元本を返すの、どっちが安いの?って話です。コストを考えて、調達方法を決めるのが基本です

 

 

ただ、キャピタルコストは様々な変数によって大きくブレるので、調達時に正確なコスト感を掴むのは難しいです

 

 

以下、それぞれの特徴について

 

 

 

エクイティでの調達はデッドのように定期的な返済は無いものの、会社がスケールした場合、将来的なキャピタルコストは重たいです。

 

 

仮に発行株式の10%と引き換えに1000万を調達した場合、5年後に会社の価値が100億円になっていればキャピタルコストは10億円に爆騰します

 

 

 

 

 

一方、デッドで1000万を調達した場合、返済期間や金利といった変数によってブレますが、せいぜい1200万程度を返済すれば済む訳です

 

 

とはいえ、来月の営業収支が全く読めないような領域にチャレンジする場合、定期的な金利の支払は辛い

 

みたいな「相反する事」をあと100個くらい検討して、返済義務のないVCから調達する事が多いです。

 

スタートアップがやる事業は、将来的な成長性があるものの、来月の収支はまったく読めないような領域ばかりなので

 

 

 

 

 

 

 

 


まあ、図にあるようなスペースデブリだったりリモートセンシングのような資本集約度の高いビジネスは、投資家ありき(長い間、赤字が前提)で立ち上げる事が多いので、毎月の返済なんて考えた事もねーわ!って感じだと思われます。


資本集約度の高いビジネスは技術的なハードルもあいまって参入障壁が高い反面、採算取れるようになったらドル箱どころか世界を握る可能性すらありますからね


アストロスケールの岡田社長に話を伺ってみたい

 

 

 

《まとめ》

 

 

足下の営業収支、事業の成長性、キャピタルコスト等の有機的に絡み合った自社の状況を鑑みて、調達方法を決めてください。

 

 

一概にどちらが良いとは言えません。

 

 

既に、ある程度の営業収支があるならデッドのほうがキャピタルコストを安く抑えられるとは思います

 

 

ただ、エクイティに比べて債権としての性質が強い(期限の利益喪失、無限責任、定期的な金利の支払)ので、その点を織り込んで検討する必要があるでしょう

 

 

 

株で調達する場合には、株は会社の権利を小分けしたものなので、調達額に紐づいた会社の所有権を売っている事になります

 

 

 

なので、エクイティで調達した場合株主を中心に回る世界を意識する必要がありますね

 

 

外部から株主を入れすぎると後のラウンドで入った投資家が全く儲からないので、有り難い買収オファーがボツになったりします

 

 

その辺りの力学はけんすう氏のブログを精読してください。

 

 

運転資金はデッド、攻めの資金はエクイティのように、使途によって調達先を変えるのがスタートアップの一般的な資本政策です。

 

 

 

質問3:取締役から今期の役員報酬は社長の半分は欲しい、と言われてしまいました。彼の市場価値としては、その四分の一程度だと思うのですが、どうすれば良いでしょうか

 

 


報酬決定機関(大体は社長本人)と、役員本人の期待値ギャップが±20%を超える場合は、離別が双方にとって合理的だと思います。

 

 

ちなみに役員報酬の決め方ですが、お金のないスタートアップは年齢 × 1万円が1つの目安です

 

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